江戸時代からの歴史ある高台を中心に
大学、病院などが集中、賑わう
神田川にかかるお茶の水橋から秋葉原方面を見たところ。右側がJR御茶ノ水駅。駅の背後に建設中の再開発エリアが見えている
神田川を挟んで向かい合う東京メトロ丸ノ内線、JR御茶ノ水駅から南側は半径数百mほどのエリアに千代田線新御茶ノ水駅、丸ノ内線淡路町駅、都営新宿線小川町駅が集まる利便性の高い場所。外堀通り、本郷通り、中央通りといった幹線道路が走ってもいます。
歩いている人の平均年齢が若いこのエリアには並木のきれいな通りが多く、都心にありながら季節を感じる
江戸時代には神田駿河台から神田淡路町、神田小川町(いずれも千代田区)にかけては大名、旗本屋敷や幕府と縁の深い寺などがあり、駿河台という地名は家康付きだった旗本(駿河衆)が多かったことに由来するとか。元々は湯島、本郷などとつながる台地でしたが、徳川家康入府後、入江だった日比谷を埋め立てるために削られ、さらに水害回避のために神田川が開削されたため、現在のような姿になっています。
駿河台下あたりから見た明大通り。通りの両側に大学、病院などが集中している。大学も高層化が進んでいる
お屋敷が多く、区画が広かったことが寄与しているのでしょうか、駿河台を中心に大学や専門学校、予備校などが集まり、学生街御茶ノ水のイメージを不動のものにしています。病院が多いのも特徴で、駿河台エリアだけでなく、神田川の対岸、文京区内には東京医科歯科大学、順天堂大学があり、医療面では安心感のある場所といえます。
東京都の歴史的な建造物になっているような店舗が並ぶエリア。看板建築や洋館風の建物なども
もうひとつ、このエリアで忘れてはならないのが江戸末期から明治、昭和初期にかけて創業した老舗が多く、歴史的な建造物が点在すること。靖国通りからちょっと入った神田淡路町、神田須田町界隈には靖国通りとは一線を画す風景が広がっており、ガイドブックを片手に訪れる人をよく見かけます。
●今回対象としたエリア概念図
今回取り上げたエリアの概念図。路線名など一部略しているものもあり、距離、位置関係、方角など正確なものではない
続いて、
御茶ノ水周辺で現在進められている開発と住宅事情を見て行きましょう。