ジュエラーとして名を馳せるカルティエは、ウォッチメイキングの世界でも活躍を果たしてきたメゾンでもあります。カルティエが時計製作へと本格的に参入を始めたのは、3代目のルイ・カルティエの時代。カルティエのアイコンウォッチである「サントス」をはじめ、ルイ・カルティエは自ら時計のデザインを手がけ、数々の名品を後世へと残しました。この「ベニュワール」もそのひとつです。
ベニュワールの誕生は、1912年。当時カルティエはロシア皇帝御用達として任命されており、サンクトペテルブルグを訪れたルイ・カルティエはパブロヴナ大公妃のダイヤモンドとオニキスのシャトレーヌ(ベルトに差し込んで腰から吊るすジュエリー)からインスピレーションを得て時計のデザインを発想しました。その後1973年、このオーバルウォッチは「ベニュワール」と呼ばれるようになり、カルティエの歴史を物語る代表的デザインとして慈しまれるようになります。
「ミニ ベニュワール」 クォーツ、WGケース&ブレスレット、ダイヤモンド、275万9400円 ©Cartier
2009年にコレクションは刷新され、繊細なスモールモデルはパリ左岸を、そして大胆なラージモデルはパリ右岸をイメージしてリデザインされました。写真は2011年に発表された、25.3ミリ×20.6ミリの「ミニ ベニュワール」。繊細なラインを描くベゼルがインテリジェントな印象をもたらし、ダイヤモンドのグラデーションと立体的なフォルムがオーバルの美しさを強調しています。オリジナルが持つ柔らかく、やさしげなボリュームを決して壊すことなく、より現代的でシャープとなった面立ちに、移りゆく時代とともに人の心を動かすクリエイションを求めてきたカルティエの製作スタイルを垣間見ることができるでしょう。
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カルティエ カスタマー サービスセンター
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