小腸は何をしているところ?
知っているようで知らない小腸の働き
ちなみによく聞く十二指腸は小腸の一部。小腸は細かく分けると十二指腸、空腸、回腸の3つに分けられ、長さなんとおよそ6m程度にも及びます。そして、食べ物を効率よくとりこむためには、食べ物と接する表面積が広いほうが効率的ですよね。そこで、小腸の内部の表面にはたくさんの絨毛があり、さらにそれが無数のひだになって、通過するだけでたくさんの食べ物が吸収されるような構造を作っているのです。一方大腸の主な役割は、小腸で吸収されなかった水分やミネラルなどを吸収して便をつくって出すことです。
ところが小腸の役割はそれだけではありません。小腸にはカラダのなかの多くの免疫細胞が集まる「腸管免疫系」という免疫システムがあり、これは体内で最大。でも、そもそも「免疫」というのは、カラダにとって害のあるものと無いものを区別して、害になるものをとり除くシステム。とすると、食べものを吸収する小腸では、食品のように安全なものと、病原菌のようにカラダに危害を加えるものを識別しなければならないわけですから、「仕分け」する免疫システムが発達しているのも分かる気がしますよね。
ちなみにこの免疫システムと、腸内に数多く生息する腸内細菌とは密接な関係があり、全身の健康にも関与することが知られています。例えば乳酸菌は腸内の免疫のバランスを整えることで花粉症対策に役立つといわれています。
また、食後の血糖値を調節するホルモンとして、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンがよく知られていますが、実はこのインスリンの分泌をコントロールするホルモンが小腸から分泌されることがわかってきており、この機能を利用した新しい糖尿病薬も発売されています。
今までは小腸といえば「消化・吸収」ばかりがクローズアップされていましたが、これからますます多くの役割が解明されてゆくかもしれませんね。
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「無数の菌がおりなす、あなたの知らない腸の世界」
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