第1位 『家政婦のミタ』
1位は今年はこれしかない、という感じですね。ひさびさにドラマが社会現象になるのを見たような気がします。成功の要因は企画、ストーリー、松嶋菜々子の演技などいろいろあるでしょうが、ここまでに盛り上がったのは震災後の日本人の心理にぴったりあったからでしょう。キーになっているのが入水自殺した母親で、これが津波でなくなった人への思いにつながってくるなど。
同時期放送の『妖怪人間ベム』も原発事故後の不安感が重なるし、日本テレビのドラマ、時代の雰囲気をつかみとうのに成功しています。
全体を振り返ると1~3位がホームドラマ。今年の漢字&流行語大賞も「絆」ですし、やはりそういう年だったようです。
絆といえばBSフジ放送の『ひとりじゃない』も印象に残ります。
桐山祥平(浅利陽介)は大学でバスケットボール部のエースだったが事故により四肢麻痺に。一度は生きることに絶望するが、かけがえのない人たちとの出会いとウィルチェアーラグビーにより前向きに生きていくことを決意するまでを描いています。
あらすじを書くとよくあるパターンのようですが、主人公のキャラや平凡な日常に絶望している主婦・辺見幸子(森口瑤子)との意外な形での出会いなど意表をつく展開でひきつけられます。
劇団東俳が制作とスポンサーを兼ねているため、思い切ってつくりたいものをつくったのでしょう。CMは主に子役募集で、子役ブームだから成立したのかもしれません。BSフジというマイナーさからベスト5からは外しましたが、地上波放送なら入れています。
ベスト5に戻ると、個人的には『渡る世間は鬼ばかり』を選んだのは、びっくりしました。最初はそういうつもりはなかったんですが、選び出すと流れとして自然に浮かび上がってきてしまいました。
自分で選んだこととはいえサプライズです。