インデックスで運用するだけで、毎日株価を見ずにすむ
次に考えてみたいのは、運用の方針です。具体的には投資信託を購入するとき、インデックス型の運用を行う投資信託を買ってみます。これは、購入した投資信託の値動きが、そのマーケットの平均的値動きにほぼ等しくなる商品です。
例えば日本株式で運用する投資信託を買いたいと考え、TOPIXに連動するインデックス型の投資信託を選んだとします。これはつまり、10000円程度の少額で、東証一部に上場している約1600社を同時購入したことと同じになります。ソニーもトヨタも数円~数十円ずつ買って、日本の有力企業をまとめ買いするということです。
個別企業の株式購入において、複数の企業に分散投資をしようとすると、金額も莫大なものになります。また企業の善し悪しをチェックするのも大きな負担です。買った後も毎日チェックが必要になります。
先の例のように日本株のインデックス型投資信託を買えば、同時に1600社を買ったことになりますので、チェックすべき情報は「日本の株価は今日どうだったか」だけですみます。株式市場では一日で20%~30%値下がりする個別銘柄もありますが、そうした個別チェックはしなくていいわけです。
また、オリンパスのような特殊な値下がりも残りの1600社にはあまり影響がありませんので、個別企業が半値になってもインデックス型の投資信託が半値になることはありません。たいていの場合は、一時的に数%の影響を受ける程度ですみますし、戻ることも多いのです。
これなら毎日チェックしなくても「知らない間にすっからからん」というような事態は避けることができます。極端な値下がりのリスクは回避しつつ、日本の株式市場全体が値上がりしたときはその値上がりを利益として得ることができるのです。
投資信託は手軽に買える便利な商品 初心者こそ投資信託を
「投資には興味があるけれど、毎日チェックしなければいけないから私には無理」というのは思い込みです。毎日チェックしなくても大丈夫な投資方法はあるわけです。個人が資産運用にチャレンジする必要は高まっています。年金は下がりますし、金利は低いままです。給料もなかなか上がらないご時世に、住宅購入や子の教育費のような負担は重くのしかかってきます。
投資信託は投資経験の浅い方にも、投資経験のある方にも活用の余地の大きい運用方法です。そして誰でも投資信託は簡単に買えるようになっています。
購入窓口は銀行や証券会社(窓口が空いている時間)だけでなく、ネットバンクやネット証券もあります。ネットバンクやネット証券や自宅で自由な時間に取引ができますので、夜中や週末に検討できるので便利です。口座を持っていない人は開設しておくといいでしょう。
なお、投資信託を初めて購入するときは、自分で少し勉強してから金融機関に行きましょう。金融機関の人は、あなたが投資信託を購入すると手数料等が儲かる構図にあるため、フェアなアドバイスが受けられるかは分かりません(担当者次第としか言いようがない)。
(書籍なら「投資信託にだまされるな![新版]/著:竹川 美奈子」「投資信託は、この8本から選びなさい。/著:中野 晴啓」 あるいはAllAboutの投資信託ガイドのコラムなどを目を通してみるといいでしょう)
判断に迷った場合は「販売手数料、運用手数料(信託報酬)の安い投資信託」「日本株のインデックス型の投資信託」で考えてみてください。最初は数万円から十万円程度でOKです。
投資を始めると、世界を見る目が大きく変わってきます。毎日チェックせずとも投資とつきあい、世界も広がる、そんな経験、ぜひ味わってみてください。