駅から遠い場所がある駅なら
安い物件が見つけやすい
徒歩+バス便15分のほうが徒歩15分より遠く、家賃は安くなるが、その分交通費がかかることになるのでプラスマイナスを計算して選択を
首都圏では通学、通勤に鉄道を利用する人が多いため、駅に近いほうが利便性が高い=家賃も高いのが基本。逆に徒歩10分以上やバス便利用など、駅から遠い物件なら安いわけですが、そのためには隣り合う路線や隣駅との間に距離があるほうが可能性が高くなります。10分歩いたら隣の駅に出てしまう立地よりも、どちらの駅にも10分かかる立地、遠い立地のほうが安くなるというわけです。
これを探すには地図を見るのが手。たとえば、中央線と京王線間はかなり離れていますし、逆に大田区、品川区では東急の各路線が近接して走り、駅間が離れていません。総じて首都圏の各路線は都内部では駅間が短く、隣の駅が見える場合すらありますが、安い物件を探すなら、ちょっと離れているほうが狙い目なのです。
自転車利用の場合には駅周辺に駐輪場があるかも要チェック
といっても、車、バイク利用以外で毎日15分以上の通勤、通学はけっこう大変。また、途中に急な坂などがあると、それ以上に負担になるので要注意。特に丘陵地の多い横浜市、川崎市エリアで駅から遠い物件の場合には、自分の足で歩いてみることが大事です。
もうひとつ、注意したいのはバス便の場合の所要時間の表記には、徒歩の場合の所要時間(1分=80m)のような明確な指標がないという点。標準的な所要時間が掲載されているはずですが、時間帯によっては大幅に異なる場合もあるので、バス停などで利用者に聞いてみるなど確認作業をしておいたほうが良いかもしれません。当然ですが、始バス、終バスの時間も要チェック。終バス後の帰宅にタクシーが必要なようでは、家賃は安くても結局は高くついてしまいます。
銭湯、商店街がある駅なら
古い物件が見つけやすい
商店街とスーパーが併存、競争している街のほうが物価が安く、生活費が抑えられるというメリットもある
立地以外で家賃ダウンの大きな要素は築年数と建物の種別です。まず、築年数ですが、建物は古くなれば家賃は下がります。そうした建物があるのは当然、歴史のある街です。では、それをどこで見るか。見た目で大きな目安になるのは商店街と銭湯です。特にシングル、カップルで都心に近く、でも、できるだけ家賃は抑えたいと思うのであれば、銭湯は大きな目印。周辺に古い物件が残っている可能性が高いのです。
自治体のホームページ内にある公衆浴場の地図を見ると、どのエリアに銭湯が多いかが分かる
これは同じ駅の東口、西口でも言えます。たとえばJR常磐線を始め、東京メトロ日比谷線、同千代田線などが乗り入れる北千住駅では西口はマルイなどの大規模商業施設が並ぶ繁華街ですが、東口は商店街はあるものの、賑やかさ、利便性ではだいぶ差があります。その東口には駅1分のところに銭湯があり、家賃は東口のほうが安め。買い物、遊びに行く際に駅の向こうまで行く必要はありますが、毎月の出費は抑えられます。
豆腐屋、魚屋、金物屋、味噌屋、乾物屋などがある街なら古い街と考えてよい
建物の種別ではマンションよりもアパートが家賃は安めですが、これも古い、再開発などが行われていない街に多く立地しています。地域、間取りなどにもよりますが、同じワンルームで家賃差は1万円以上の差になることも。ちなみにマンションとアパートの違いは一般には耐火性と言われています。鉄筋コンクリート造、鉄骨造など耐火性の高い集合住宅=マンション、木造など非耐火の集合住宅=アパートというわけです。
さて、最後に実際の探し方ですが、立地が家賃を左右する条件であることを考えると、まずは通勤、通学先に接続するすべての路線を候補とする広い視野が必要です。土地勘がない人の場合、つい、全国的に知られた駅、沿線を候補にしてしまいがちですが、イメージの高い、人気のある駅、沿線は家賃も高く、競争が激しいのが一般的。イメージではなく、実質で考えるのが、安くても満足いく部屋探しの基本です。