植栽計画は地域の風景をつくる
建物とはおもしろいもので、仕上がりに近づいてくると今まで冷たかった構造体が徐々に人が住める温かみがあり居住性のある空間に変化していきます。建物と外構もそんな関係にあります。敷地の中にドンと構えた建物も緑や生け垣などによって引き立ち、やがて地域の風景になっていきます。また室内から外を眺めても緑の配置によってとても居心地の良い空間が生まれます。建物と植栽計画のポイントを考えることでより一層、友好的に建物を引き立たせることができるのです。
葉・幹・花の色で工夫
ヒメシャラ
第一のポイントは建物の外装材やデザインに合わせて樹種や樹形を選ぶことです。たとえばコンクリート打放しのような硬いイメージのある建物であれば、葉の形が丸い落葉広葉樹のヒメシャラやヤマボウシを選ぶとよいでしょう。常緑広葉樹であると葉の色が濃くなり重たい印象を与えます。したがって落葉広葉樹の葉色の薄いものがおすすめです。また外壁の色が濃い場合は、エゴノキやシャラなど明るい葉色のものを選ぶとお互い干渉しないですっきりとしたイメージになります。一方白色系など比較的明るい色の外壁の場合は、ツバキやクスなど濃い緑の葉をもった樹木を選ぶと緑を強調することができます。