35歳の彼女の気持ち
35歳の彼女は、出産にアセリが芽生えている。出産したいから、あんな大胆であからさまな行動をとっていることは確かだと思う。だけど、数々の恋愛を経験してきた彼女にとって、それが、男に引かれる行動であることは、百も承知だと思うのだ。心から、早く出産したい彼女にとって、それくらいで引く男なら失っても仕方ない。「引くなら引け!」みたいな気持ちで、思うがままに行動しているのかもしれない。もうひうとつ、30女のプライドとして「結婚したい」というよりは、「出産したい」のほうが言いやすいというのもあるのかもしれない。
「いくつになっても女性って結婚したい病って収まらないんだね」と1人の男子がいうと、彼は大きく頷いて、ため息をついた。しかし、彼は、そんな彼女の行動に引いたから、プロポーズしないのではないらしい。彼女の巧妙な手引きにより、すでに彼女の両親にも会ったし、自分の両親の両親に会わせる機会もあった。「結局は、結婚しなくちゃいけないだろうなぁ」と消極的なことを言う。みんながリアクションに困った顔をしているのを見て、「いやいや、彼女のことも、結婚でも、嫌ではないんだよ。でも思い切れないんだ」と彼。
思い切れない彼の理由
どうしても自分のタイミングで結婚したい男性。やりたいことがあるのはいいことだけど……
でも、この先も冒険心は消えないだろうし、永遠の安定なんてない。彼女との間に愛と信頼関係があるのなら、とりあえず結婚してしまえばいいのに……と私なりにアドバイスしてみたものの、右から左。男はどうしたって自分のタイミングで結婚したい生き物らしい。
では、せめて、彼女にそういう気持ちを話してみたら? 「不安定になるかもしれないけど、それでもいいの?」って聞いて彼女からのOKがもらえたら、ずいぶんと気持ちもラクになるし、彼にとっても結婚にリアリティが増すはずだ。
だけど、彼は「そんなこと言えない」という。なぜならば、「結婚して会社を辞めたい」が最近の彼女の口癖で、たぶん、不安定な生活なんて望んでいない。彼の冒険を快く思わないことが明白だから(それはそれで、結婚したい女子としては正しい願望なのかもしれないけれど……)。