建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

現代の最小限住宅[新宿の小さな家]

新宿駅からほど近くの路地の奥に建築面積わずか9坪の、まさに「現代の最小限住宅」ともいうべき小さな家が建ちました。様々なハンデを逆手に取って、大空間のある快適な住まいを実現させています。

執筆者:川畑 博哉

新宿駅から徒歩10分。交通量の多い街道から一歩路地を入ると、学校や低層のオフィスビルや中古マンションに挟まれるようにして、戸建て住宅が肩を寄せ合うようにして建つ界隈があります。この家の住人の30代の若夫婦は、ここに15坪の角地を購入して家を建てる事を決め、知人を介して出会った若手建築家の能作淳平さんに設計を依頼しました。能作さんにとっては処女作でもあるこの家。若夫婦の期待に応えた「開放的な小住宅」をどんな発想で造り上げたのでしょうか。

三角屋根と大窓のシルバーハウス

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外観

1. 屋根と外壁はガリバリウム鋼板。
2. 室内の照明は必要最小限にとどめた。写真:能作淳平建築設計事務所
3. 東側の隣家との隙間は、わずか90cm。


この家は15坪の敷地ながら、建ぺい率によって9坪の建築面積しかありません。しかも北西の角地。東側は3階建ての新築の家が建ち、南側にも隣家が迫っています。さらに前面の道は近隣の生活道路で、常に通行人の視線に晒される。こんな大きな制約があると、自ずと「外に閉じた家」になってしまうところですが、能作さんは戦後の小住宅のように、あえて大きな窓を設けて「外に開く家」を提案をしたのです。

◆建築家プロフィールと建築データ


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