新規事業も好調
また他の事業も好調です。例えば2009年に買収した子会社のメビックス。同社は発売後の薬剤を対象とした臨床研究支援において日本でNo1の企業です。新薬の効能を図るためには発売前だけではなく、発売後の調査も重要になります。こうした調査には従来はSMO(治験実施施設管理機関)が医療機関に営業をかけて、多くの医療機関の協力を得て治験に入ることも多く、結果医療機関が比較的受身になり、患者から治験結果を集めるのに時間がかかるなど効率にも問題がありました。同社が始めた新サービス「治験君」はエムスリーの「m3.com」の21万人ものドクターネットワークに告知することで治験に積極的な医療機関を見つけることが可能になりました。ITスキルの高い、積極的な医療機関が参加することで早く、多くの症例が集まりことが可能になります。現在SMOの市場規模は500億円と言われていますが、より多くのシェアを取ることが期待されています。
海外市場も順調に開拓
MRのネット化については世界的な傾向でもあります。製薬会社は多額の開発費が業績を圧迫しており、MRをネットチャンネルにして、コストを減らそうとしているのです。会員数が順調に増加しているのが米国です。医師会員数は前年同期比5.2万人増加の17.7万人となり40%を超える増加率となっています。また英国で18.5万人以上が登録する医師向けポータルサイト「Doctors.net.uk」の買収をしました。すでに18.5万人の経営規模があることもあり、ゆっくりと同社のノウハウを注入しながらこの英国を足がかりに欧州での実績を固めていきそうです。
現在の活動エリアは米国、欧州、中国・韓国と世界に拡がっており、合計120万人もの医師パネルを構築しています。さらに9月には,アジア新興国を中心とした45ヶ国以上の消費者への調査パネルを持つエーアイ‐ピー社と資本業務協定を結ぶなど、積極的に海外展開を図っています。
現在、同社は36万円前後で購入が可能です。PERは46倍程で決して割安ではありませんが、今後の業績拡大への大きな期待を考えるとまだまだ株価上昇が期待できるのではないでしょうか?