過去の地図、造成計画図を見る、
自治体に問い合わせるなどの手を
1m以上の崖を見たら、とりあえず、安全度をチェックするようにしたい。低地では水害の心配もありうる
といっても50年近く前のことになりますから、近隣に当時の様子を覚えている人がいたり、自分で覚えていれば別ですが、そうでない場合には造成された当時の造成計画図を探すしかありません。すでに住んでいる家の場合には、購入時の書類の中にそうした書類がなかったかを見てみましょう。宅地を分譲した、あるいはしている会社、地元の自治体に当時の情報を問い合わせる手もあります。
さらに非常に気になるという場合には、現地の古地図(昭和30年代以前のもの)と現在を比較して、高低が大きく変化していないかを見るという手もあります。
また、平成19年以降、こうした古い造成地のうちで、面積3000平米以上の谷埋め盛土、原地盤の勾配が20度以上かつ盛土高5m以上の腹付け盛土を大規模盛土造成地として地図などで公表する自治体が出ています。平成19年は中越地震が起きた年。あの時には400カ所以上の造成地が住宅ごと崩落しており、その教訓から、危険な場所の公表が進むようになったのです。
現在、首都圏で情報が公開されている自治体は埼玉県(さいたま市、川越市、熊谷市、川口市、所沢市、春日部市、草加市、越谷市は独自で実施とされている)、川崎市で、横浜市では規制区域のみを地図で公開しています。ただ、川崎市の約2500カ所の大規模盛土造成地のうち、500カ所が法以前という状況から推察すると、横浜市も同様な状況が類推できます。特に横浜市は規制区域が市域の約63%にも及んでいるだけに、注意が必要でしょう。
もうひとつ、すでにそうした場所に住んでいるという場合には、現状をチェックし、備えておきたいものですが、その際には国土交通省宅地防災のページ内にあるパンフレット等が参考になります。特に「わが家の宅地チェックポイント」、「我が家の擁壁チェックシート(案)」では目で見て分かる危険の兆候が写真で紹介されていますので、傾斜地でかつ擁壁の高さが1m以上あるというお宅にお住いの方は一読をお勧めします。