KERS、DRSを使用するレース
今シーズンのF1はタイヤがピレリのワンメイクに変わり、リヤウイングのフラップを開けて一時的にトップスピードを伸ばすDRS、そしてブレーキングの熱エネルギーを回生して出力アップを行うKERSの復活など、様々な新しいデバイスの登場でエキサイティングなレースが展開されている。メルセデスGPのシューマッハ 【MOBILITYLAND】
小林可夢偉のQ1トップに大歓声!
小林可夢偉 【MOBILITYLAND】
今年もノックアウト方式で行われているF1の公式予選。まずは下位チームがふるい落とされるQ1で小林可夢偉が魅せてくれた。Q2進出に向けて安全マージンがあるQ1で、さらにソフトコンパウンドのオプションタイヤを使用してアタックし、なんとこのセッションでトップタイムを叩き出したのである。母国グランプリという気合いもあっただろうが、上位陣があまり無理をしないQ1で予選トップタイムを叩き出し、軽いジャブを打ってきた。思いもよらない結果に会場内は大歓声に包まれた。
小林可夢偉はその後もQ2を10位ギリギリで通過し、最後のQ3はタイヤ温存のためにアタックを途中でやめてしまった。同じようにアタックを行わなかったドライバーが合計4名いたため、予選結果は審議となったが、予選アタックタイムを出さなかったドライバーのうち、小林だけは途中までアタックの姿勢を見せていたと判断され、小林の決勝グリッドはラッキーなことに7位に繰り上がった。上位グリッドからのスタートとなれば、日本グランプリの決勝レースに対する観客の期待もピークに達するのは確実で、表彰台の期待もかかっていた。
決勝はピット合戦、コース上でもオーバーテイク続出!
予選でポールポジションを獲得したのはセバスチャン・ベッテル(レッドブル)。2年連続の優勝を飾っている鈴鹿で、2位のジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)を僅か1000分の9秒上回った。決勝レースは快晴のもと、午後3時にスタートが切られ、先頭ベッテル、2位にハミルトン(マクラーレン・メルセデス)、3位にバトンと続く。ソフト側のオプションタイヤでスタートした上位陣は早くも9周目でタイヤ交換。オプションタイヤでつなぎ、連続ピット作業でかなりめまぐるしいレース展開となった。2番手争いを展開したアロンソとベッテル 【MOBILITYLAND】
そして、レースが動いたのは21周目、2位に浮上していたバトンがピット作業を終えると、ベッテルを逆転し、トップ浮上。そこから迫り来るアロンソ(フェラーリ)、ベッテル(レッドブル)の追撃をかわし、バトンが10回目の鈴鹿挑戦にして初優勝を成し遂げた。そして、3位表彰台にあがったセバスチャン・ベッテルは最も大好きだと豪語する鈴鹿サーキットのレースで2年連続のワールドチャンピオンに輝いた。
小林可夢偉は得意のヘアピンで魅せた!
7番手からの絶好のスタート位置を確保した小林可夢偉だったが、スタートに失敗して12番手まで後退してしまう。オプションタイヤで好ダッシュを決めていきたかっただけに残念な出遅れとなった。さらにピット作業でも手間取りタイムロスを喫するなど、空回りな展開が続く。しかし、それでも昨年5度のオーバーテイクを披露し、可夢偉の大応援団が陣取るヘアピンカーブでの追い抜きを見せるなど力強いレースを展開してくれた。後半はハード側のプライムタイヤでロングランという作戦を取るも、レースは動かず、厳しいレース展開を強いられ13位。不本意な結果に終わってしまった。次戦、韓国GPからの巻き返しに期待したい。可夢偉応援席を行く小林 【MOBILITYLAND】
次のページでは日本グランプリで際立つ活躍を見せたドライバーなど様々な話題をお届けします。