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ウォン安、株安…好調韓国経済に変調の兆し

最近になって、韓国のCDSの値が急上昇しています。これは企業や国の破綻リスクを表す値なので、それが上昇しているということは韓国経済のリスクが高まっていることを意味します。一体、何が起こっているのでしょうか?

執筆者:All About 編集部

韓国のCDSプレミアムが上昇

韓国のCDSプレミアムが最近上昇してきて、国としてのリスクが高まっています。話を進める前にまず、このCDSについて説明しましょう。

CDSとは、「クレジット・デフォルト・スワップ」の略です。もっともこれだけ聞いても何のことかわかりません。CDSとは、国や企業が破綻した時に補償してくれる権利を売り買いする金融商品です。これで何となく理解できる方もいると思いますが、CDSを売り買いする時の金額、つまりCDSプレミアムは、その国や企業の破綻リスクが大きいほど、高くなります。CDSプレミアムの値を見ることで、その国や企業がどれだけ厳しい状況にあるのかわかるのです。

韓国のCDSプレミアムは8~9月になって急上昇し、2%を超えました。しかし、この程度なら現在債務危機が高まっているヨーロッパの国々、ギリシャはもとより、イタリアやスペインよりもまだ低い値です。例えば、イタリアのCDSプレミアムは9月に入って5%を超えています。

ヨーロッパで最もデフォルトリスクの高いギリシャはCDSプレミアムもずっと高く、すでに50%を超えました。それに比べれば韓国の2%というのはまだまだ低い値ですが、韓国経済にはまだ他にも不安材料があります。

ウォン安と株安の進行

日本の円は今年に入って上昇しているが、韓国ウォンは下がっている。

日本の円は今年に入って上昇しているが、韓国ウォンは下がっている

韓国の通貨ウォンですが、今年になって円やドルなどの通貨に対して下がり続けています。

リーマンショック後、いろいろな通貨が円に対して安くなる円高が進んできました。ウォンも例外ではなく、リーマンショック前は1ウォン=0.14円程度だったものが、2010年には1ウォン=0.07~0.08円程度で推移。ところが2011年になって1ウォン=0.07円を割り込み、0.06円台に突入しています。米ドルに対しても同様です。

韓国の株価も、最近になって同様に下落。韓国の株価指数である「韓国総合指数」は、リーマンショック前の高値2085から、リーマンショックの半年後には890をつけるほど大きく下落しました。その後大きく切り返し、今年5月には2230というリーマンショック前の高値を更新するほど回復しています。リーマンショック前の高値更新は、日本やアメリカですら達成できていないことです。韓国の株はかなり頑張っていたといえるでしょう。

それが8月以降になって下がりだし、10月初めには1700前後になりました。こちらも韓国経済にとっては不安材料になっています。
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