グローバル社会で必須の為替レート
新聞をみていると、「円高が進んだ」であるとか、「ドルやユーロが下落した」と記事が出ています。実際、日本は外需主導で成長をしてきた歴史があるため、輸出に頼っている日本企業が多くあり、円高になり収益が減少することに対して非常に敏感です。経済学を学ぶことで、こうした変化にどのように対応できるのでしょうか?新聞などの記事を鵜呑みにせず、自らの視点で今後為替レートがどのように変化するかを判断し、経営を考えていくことができるようになります。例えば、今後も長期的に円高が続くとみれば、拠点を日本から海外に移すことを検討するようになります。
マクロ経済学の授業では、為替レートに関して一物一価を基本とした購買力平価仮説についてから学びます。購買力平価仮説は、同じ質のモノであれば、世界全ての国で同じ価格になるはずであるという簡単な考え方からできています。例えば、マクドナルドのハンバーガーが米国で2ドルで売られていて、日本で200円ならば、2ドル=200円が一物一価になります。約分すると1ドル=100円になるので、これが一物一価を成り立たせる為替レートになるという考え方です。これを、各国で売られている全てのモノで行えば、均衡している為替レートは決定できると考えるのです。
ただ、直感的にも、世界で売られているモノは各国で異なっていて、比較できないモノも多く存在しています。したがって、この考え方を突き詰めても為替レートの理論的な値が完全に予想できないことは理解できるでしょう。それでも、購買力平価の考え方を知っていれば、為替レートを長期的に予想した上でどのような行動をとるべきかの大まかに考えられます。為替レートの理論値を求める考え方は他にもいろいろな仮説があり、全ての仮説を大まかに理解しておくことは、グローバル社会で企業経営する上で重要です。
ここではインフレーションと為替レートを取り上げましたが、他にも「金利」「雇用」の問題など、企業戦略を立てる上で重要な多くのことをマクロ経済学の授業では学んでいきます。マクロ経済学を学べば学ぶほど、あなたの仕事を取り巻く経済環境の理解が進み、ビジネスにおいてよりよい戦略がとれるでしょう。