沖縄エイサーの楽しみ方
沖縄の夏の風物詩で今や全国にファンを持つエイサー。その勇壮な演舞は見る者を必ず興奮に誘います。写真提供:沖縄市観光協会
みなさんは沖縄のエイサーをご存知でしょうか? 空にこだまする太鼓の音。若さ漲る一糸乱れぬ壮観な演舞。締めを彩る賑やかなカチャーシー(カチャーシーとは沖縄民謡に合わせて興がのってくると両手を頭の上にあげて踊る手踊りのこと。語源は"かき混ぜる”から来ているのだとか。宴会や結婚式には欠かせない踊り)。一昔前まではあまり知られていなかったこの沖縄のエイサーも、三線をはじめとした沖縄文化が全国区で馴染みのあるものとなったのと同じく、今ではすっかり多くのファンを持つ沖縄文化のひとつです。
ここ最近は沖縄以外でも日本のあちこちでエイサーイベントが開かれるようになり、エイサー人気はますます勢いを増すばかり。とは言うものの、中にはまだ生のエイサー体験をしたことがないという人もきっと多いはず。長寿が多い沖縄において、エイサーだけは若者が主役。どんなに元気でどんなに若々しいオジイでもオバアでも、エイサーだけは黙って主役の座を若者に渡し観客に徹します(で、最後はカチャーシーで賑やかに参加! 年期の入ったオジイやオバアのカチャーシーは若者には決して真似できません)。沖縄の若者たちの心を熱く焦がすエイサーは、この十年間の間にすっかりないちゃー(本土の人)の心もとらえてしまったようです。ということで、今回はまだエイサー未体験のないちゃーのため沖縄のエイサーについてお話したいと思います。
エイサーってどんな踊り?
各青年会によって異なる衣装チェックも楽しいポイント。写真提供:沖縄観光協会
エイサーは、一言で言うと沖縄の盆踊り。お盆でこの世に戻って来たご先祖様の霊を送迎しながら家内安全や健康を願うのを目的に踊り歩く沖縄の伝統芸能で、その起源は踊念仏にあると言われています。今でもほとんどの行事が旧暦で行われている沖縄では、毎年旧暦の7月13日~15日の3日間がお盆にあたり(お盆の最初の日は大切なご先祖様をお迎えするウンケー、親戚回りをする真ん中の日をナカヌヒー、最後のご先祖様をあの世にお送りする一番大切な日をウークイと呼びます)、この間は沖縄本島の各所でエイサーを見ることができます。もともとはウークイの夜に行われていたものですが、エイサーの人気が高まるとともに近年ではウンケーの日から始まって連日連夜行われることが多くなったのです。
道ジュネーは公民館やスーパーの駐車場などで行われます。
踊りながら地域を練り歩くことを道ジュネーと呼び、現在ではウークイの日は各地で地道ジュネーが盛んに行われています。よくエイサーを沖縄全体の文化芸能だと思っている人がいますが、基本的にエイサーが盛んなのは沖縄本島。八重山の島々ではエイサーはあまり盛んでありません(八重山や宮古では別の形でお盆を迎えるための伝統芸能があります)。なので、エイサーが見たい人は沖縄本島に行ってくださいね。くれぐれも石垣島や宮古島に行かないように!