これからの住まいづくりの標準になるといわれるのが「スマートハウス」です。太陽光発電システムなどの設備機器と、HEMSによるエネルギー需給の「見える化」技術を組み合わせることで、従来より省エネや節電、省CO2を図れる次世代の住まいとして、現在、ハウスメーカーなどによる研究や開発が活発化しています。そんな中、東急ホームズが実需型のモデル棟を建築し、マスコミに公開しました。今回はその見学記です。

外観

東急ホームズが建築したスマートハウスのモデル棟。南面の屋根を広げる勾配屋根の設計を行い、太陽光発電システムの大容量搭載を可能にしている

モデル棟のお話の前に、少しだけ東急ホームズについてご紹介します。北米型輸入住宅「ミルクリーク」ブランドによる注文住宅事業を中心に展開。基本的にツーバイフォー工法が主。近年は環境配慮や健康配慮などに積極的に取り組んでいます。

近年、他のハウスメーカーでも取り組むようになってきた「泊まれるモデルハウス」を、いち早く取り入れたハウスメーカーでもあり、個人的にはなかなか研究熱心で面白いハウスメーカーだと思っています。

さて、今回のモデル棟の正式名称は「環境型新コンセプト住宅」。東急ホームズとして初めてのスマートハウスだといいます。以下にその概要をご紹介しておきます。

東急ホームズのスマートハウスモデル棟の基本情報

・施工面積 =119.52平方メートル(36.16坪、吹抜け8.28平方メートルなど含む)
・工法=ツーバイフォー
・間取り=4LDK+2階フレックスルーム
・参考価格=約2430万円(1坪あたり約67万円)
・建設地=神奈川県横浜市青葉区鴨志田町

建設地が横浜市の郊外、丘陵地帯に位置することから、基礎補強などの補強工事を要した関係でオプションの費用がかかったとのこと。標準仕様の場合だと、約1990万円(1坪あたり約55万円)となるそうです。

HEMS

導入されたHEMSの基本画面。現状ではエネルギーの需給状況を「見える化」する点に機能が集約され、広く販売されるようになってきた。将来は家電などの「制御」の役割も期待される(クリックすると拡大します)

スマートハウスの概要についてはこちらをご覧ください。スマートハウスというと、太陽光発電システムや蓄電池、HEMSなど設備機器やシステムに注目されますが、この建物にももちろん搭載されています。省エネ・節電のほか、災害時のエネルギー確保などに考慮された仕様となっていました。

太陽光発電システムは5.5kwの大容量。これで普段のエネルギー消費を抑えることができます。蓄電池については400wタイプで通常時はリビングのLED照明の電源となり、非常時には専用コンセントを通じて携帯電話の充電やパソコンの電源などとして活用できるといいます。

HEMSはパナソニック製で、電気の使用量(今回の建物はオール電化)や水道の使用量をモニタリング(「見える化」)でき、どこでどの程度電気を使用しているのか確認できるようになっていました。HEMSの「見える化」効果として、6~10%の節電効果が見込めるそうです。

ところで、今回のモデル棟を見て私が感心したのは、実はこのような設備機器や技術ではありませんでした。本当のキモは住まいづくりの基本的な考え方でした。その詳しい内容について次のページでご紹介します。