今求められる「素敵な旦那様」の姿とは?
かつて結婚=専業主婦であった時代は、旦那様の収入が家計を支える唯一の手段でしたから、妻が夫に求めるものは「しっかり働いてがっつり稼ぐこと」でした。「亭主元気で留守がいい」というCMのキャッチがあったように、お給料さえいれてくれれば、家庭で何もしなくてもいい存在だったのです。
ところが今は男性の6割、調査によっては9割近くが「結婚後妻にも働いてほしい」と思っている時代。妻が働きたいかどうかという意志に関わらず、「共働きでないと希望する生活レベルが確保できない」という現実がのしかかっている家庭もたくさんあるかもしれません。そうなると自分も仕事を持ち、収入もある妻が夫に求めるものも当然変わってきます。今は「仕事のできる(=稼げる)パパ」から「オフタイムも素敵なパパ」が求められるようになってきています。マスコミに登場するキーワードでも「イケ旦(だん)」「料理男子」「イクメン」など、プライベート、オフタイムで素敵な旦那様がもてはやされており、これはすなわち「職場だけでなく家庭でも頑張ってほしい」という妻側からメッセージと受け取れます。
かつてのバブルな時代は高級レストランやワインに詳しい夫が素敵でしたが、今はキャンプで、子どもに虫取りを指南したり、上手にたき火で料理が作れる夫が素敵という価値観に変わっています。これが実はイマドキ妻の抱える不満の大きな原因になっているのです。
旦那様側の変化は?
ところが、このような妻の意識の変化に対して、夫側はどう変わってきているのでしょうか? もちろん、育児に熱心で「育児休暇」までとってくれる、つるの剛士さんのようなイクメンもいるでしょう。おいしい料理をさっと作ってくれる速水もこみち君のような「料理男子」も増えているでしょう。しかし、大半の男性の意識はあまり変わっていないように見受けられます。かつて、自分の父親がそうであったように、会社で仕事を頑張っているのだから家ではのんびりしたい。かつて専業主婦の母に父が尽くされていたように、妻も自分に尽くしてもらいたい、癒されたい、という頭の中の方が多いのではないでしょうか?
「完璧妻」たちへの処方箋
こんな、夫婦のギャップを埋めるために必要なことは、まずは自分の理想を求めすぎたり、マスコミの作りだす「素敵なパパ」のイメージに振り回されず、現実をしっかり見ることです。夫婦のコミュニケーションは対等なギブ&テイクが基本。相手に求めるばかりでなく、目の前にいるパートナーの「良さ」を一つでも多く発見して、そこを伸ばして行くことが、「素敵なパパ」を育てていく第一歩になることを忘れないでくださいね。
そして、私の著書『夫婦の「幸せ循環」を呼ぶ秘訣』(講談社)でも書いた、「一歩下がって夫を立てる!」という古来からの伝統技もぜひ取り入れてみてください。