比較的治安のいいマレーシア
歩道を歩くときは、車道と離れた側を歩き、バイクによる引ったくりに注意しましょう
<目次>
マレーシアの気になるテロ事情
ここ数年、在マレーシア日本国大使館では、イスラム過激派組織ISILによるテロへの注意を呼びかけています。テロの標的になりやすい場所は、観光施設や記念日のイベント会場、またレストランやホテル、ショッピングモールなどの人が多く集まる場所。教会やモスクなどの宗教関係施設、政府関係施設、公共交通機関の施設も、他国の例をみると、テロの標的になりやすく、これらを訪れる際は、あらかじめ非常口などの避難経路を確認する、不審な人物や状況を察知したら、その場を速やかに離れる、などを心がけましょう。
とっさの状況判断や取るべき行動については、近くにいるマレーシア人に助けを求めるのがよいと思います。外国人だから、とあせらず、冷静に行動するように努めましょう。
頻繁に発生しているマレーシアでの犯罪
マレーシアで起きる犯罪はいくつかパターンがあるので、事前に知識を得ておきましょう。なんとなくでもいいので、記憶に残っていれば、危険を回避することができます。引ったくり・スリ・置き引き
まず、クアラルンプール、マラッカ、ペナンなどの大都市で頻繁に起きている犯罪は、引ったくり、スリ、置き引き。引ったくりは人通りの少ない道で起こり、反対にスリや置き引きは、スーパー、イベント会場など人の多い場所で起こります。以前、友人が美しい景色を夢中でスマホで撮影していたら、背後から近付いてきた人にスマホを奪い取られたことがありました。持ちものには絶えず注意が必要。できるだけ高級品は持ち歩かないようにしましょう。いかさま賭博
クアラルンプールの繁華街で発生しているのは、いかさま賭博。「どこから来たの? もしかして日本人ですか?」と話しかけられ、「日本についてもっと知りたいので、わが家に招待します」と言われついていくと、賭けトランプゲームに巻き込まれてお金を巻き上げられる、というもの。「私の弟が早稲田大学に通っている」「紀伊國屋書店で働いている知り合いがいる」など、日本人が知っている名称を具体的に伝える巧妙な手口です。危ないと思ったら「時間が無いので行きません」とハッキリ断りましょう。通り魔
また、路地を歩いていて酸性の液体をかけられた、という通り魔も発生しています。バイクに乗車した犯人が、酸の入った液体を通行人めがけてまき散らすというもので、無差別の攻撃です。なお、ランカウイ島、パンコール島などのリゾートアイランドは、住人がほとんど顔見知りで、知らない人がいたらみんなが注目する、と言われるほどの田舎町。その親密なコミュニティーのおかげで、詐欺や通り魔などの犯罪はほとんど発生していないようです。ただ、ビーチやホテルのレストランでの貴重品のバッグの置き引きや、道路でのひったくりなどはご注意を。
具体的な事件内容と個別の対策は、「クアラルンプールの治安」にも記載しましたので、合わせてご確認ください。
トラブルに巻き込まれないための4か条
■その1 夜はなるべく歩かない長袖で肌を覆うマレー系女性。過度な肌の露出は避けましょう
■その2 肌の露出の少ない服で歩く
観光客を狙った犯罪が少ないとはいえ、「私は不慣れな観光客です」とアピールするのは得策ではありません。目立たないためのポイントは、服装。肩出しのリゾートワンピースではなく、肌の露出が少ないシンプルな装いで。とくにマレーシアはイスラム国家ですので、多くのマレー系の女性は肌を見せない服を着用しています。彼らに溶け込むためにも過度の肌の露出は避けましょう。
■その3 夜のタクシー、1人でのタクシー乗車は避ける
ある程度の距離(10リンギット以上の金額)を1人でタクシーに乗る場合は注意が必要です。とくに夜は流しのタクシーをつかまえるより、お店の人に手配してもらったり、行きに使ったタクシーを帰りも確保しておくといいでしょう。1人でタクシーに乗っていて、知らない人と相乗りを強制(もしくは安くなると諭され)されたうえ、犯罪に巻き込まれた、というケースがあります。
■その4 注意を払いながら歩く
後ろをついてくるバイク音など、気になることがあれば、振り返って相手の顔を確認しましょう。つまり「私、あなたに気づいていますよ」と相手に分からせるのは効果的。過敏になり過ぎる必要はありませんが、怪しいと思ったら様子をチェック。マレーシア人は気になることはじっと見つめる習慣があるので、こちらが相手を見つめても失礼にはあたりません。