地盤調査には2種類
ネットで調べられるのは標準貫入試験の結果

液状化

液状化など地震の被害は地盤に大きく影響される

地盤調査には簡易で安価に利用でき、主に木造2階建て程度の一戸建て住宅などでよく利用されているスウェーデン式サウンディング調査と、3階建て以上の建築物、または階数には関係なく鉄筋コンクリート造、重量鉄骨造の場合に利用されるボーリング・標準貫入試験の主に2種類があります。後者は建物の建築確認申請時に提出する構造計算書に地盤の強度を明記する必要があるため、省くわけにはいきませんが、木造戸建て住宅の場合、構造計算書が必要ではないため、地盤調査自体が省略されることもあります。

 

ネット上で公表されているのは、後者のボーリング・標準貫入試験の結果です。建築確認時に添付された地盤調査結果は役所に長年集積されてきており、それが公開されているのです。そのため、公表されているデータはすでに建物、橋梁その他が建築された場所のもの。自分が住んでいる、あるいは買おうとしている場所周辺の地盤を確認するためには、周辺のデータを現地の地形と突き合わせつつ、推測するという作業が必要になります。データがある場所と自分が調べたい場所がほぼ同じ高さで近くにあるなら参考になりますが、データが坂の上、調べたい場所がその下であったら、比べる意味はありません。また、一戸建て中心のエリアでは調査が行われておらず、データがないということもあります。

 


データは柱状図で示される
最低限見るべきはN値と深さ

こうしたデータは柱状図として示されています。記載される情報は調査した場所の標高、調査した深さ、地下の水位、深さごとのN値、土質、土の観察結果などですが、公表されているデータの中にはいくつかが抜けているものもあります。これらのデータはいずれも重要ですが、最低限見ていただきたいのはN値とその深さがどう変動しているかです。

 

N値とは地盤の固さを示す値で、非常に簡単かつ分かりやすく言えば、何回叩いたら検査装置が地面にめり込むかという数値です。1回しか叩かなくてもめり込むようなら地盤は緩いと判断されますし、何十回も叩かないといけない地盤は固いという結果になります。この値の判断は地域によって異なりますが、首都圏の場合、マンションなどの重量建築物を建てるための支持基盤はN値50が5m続くことが基本とされています。

 

例として出したのは東日本大震災後に液状化が問題になった浦安市高洲のデータです。画面右側の標準貫入試験の結果を見て見ると、N値は深さ9mで20くらいになっているものの、それ以浅も、表示されていない以深も1~2くらいの状況が続いています。つまり、非常に緩い地盤というわけです。ちなみにこの地点では80m強の深さまで調査されていますが、その間N値50の部分は出てくるものの5mの厚さとなっているところはありません。軟弱地盤と言われるわけです。

 
浦安の柱状図

浦安エリアの地盤調査結果。緩い地盤が地中深くまで続いていることが分かる


次はお屋敷街として知られる大田区田園調布の柱状図です。データの内容、表現の仕方は異なりますが、標高、地下水位、N値とその深さ、土質は前出の浦安同様記載されており、N値は図の右側に記されています。見ていくと、場所によってばらつきはありますが、10m以内などの浅いところにN値50の強固な地盤が続いていることが分かります。田園調布は田園調布台と呼ばれる、武蔵野台地の中でも古い台地上にあり、地盤の良さは首都圏トップクラス。データからも明らかです。

 
田園調布

大田区田園調布の地盤調査結果。重量建築物の基盤となる強固な地盤が地表近くにある


では、次のページではこうした柱状図がどこで見られるのかを解説します。