ローコスト住宅/ローコスト住宅の実例

安さの理由(2)~ローコスト住宅を訪問取材(2ページ目)

不況や震災で右肩上がりが見込めない低収入時代。ローコスト住宅がネガティブイメージでとられた時期がかつてありましたが、収入が上がらないけど家族を持ちたがっている若者が増加している昨今。その安さの理由がしっかり自分で納得できれば、選択肢の一つになりうる時代になっていることをも、また事実。ローコストシリーズ第2回目は住宅フランチャイズ、あの会社が登場。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

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理由4.施工効率のアップでコスト削減

同社の主要工法は木造軸組み金物工法ですが、構造材に強度が均質で統一しやすい集成材を、さらに構造材の接合部にはテクノスター金物を導入するなど施工を標準化することにより、どこの加盟工務店で施工しても一定性能を保つことができ、工期の短縮化により人件費も抑制することができる。

理由5.独自FCシステムでコスト削減

空間

コンパクトならではの空間の変化を楽しめる部分もありそう(写真提供協力:アイフルホーム)

地価の高い日本で工場を保有することは住宅企業の負担となっており、最近は中国やアジア等への移転が続いている。同社の場合、グループ会社の建材・提携先のプレカット工場、地場の加盟工務店との連携により、工場をもたないで済む。

理由6.WEBシミュレーションでコスト削減

ネット住宅を導入している住宅企業は多いものの、なぜ「ネット住宅は価格抑制ができるのか」。WEB上でユーザー自身でプランや仕様・色をシミュレーションしながら「ユーザー」側で自動的にプランニングできるため、通常、プラン作成にかかわる営業マンや設計士などの人件費、資料作成代などの販売管理費が大幅にコスト削減できる。

理由7.LIXILグループ商品を活用

住宅は建材・部材の組み立てからできている。トステム・INAXを中核とする「LIXILグループ」の住宅事業会社である同社の場合、その仕入れ単価・流通メリットや建築資材の購買力によるところが大きい。

金

百万単位の違いはやはり大きい…。その安さの理由をしっかり納得できれば、ローコスト住宅という選択肢もありうる

以上、7つのコストダウン(合理化)の仕組みは、現在の業界にほぼ共通して各社取り組んでいる工夫ではありますが、同社の場合はなんと言っても「理由7」のグループ商品を安く仕入れられるメリットが大きいといえるでしょう。

それが、ネット住宅を販売している他メーカー、フランチャイズ展開している他の住宅FCにはない、同社の強みだといえるかもしれません。

いずれにせよ、以上の7つを見ても、高品質や補償・保証が損なわれることなく(そのままで)、純粋に仕入れや販売管理の部分のコスト削減により「適正価格」を実現している流れがある程度理解できます。

もちろん、だからといって安心して鵜呑みにすることなく、また「価格」だけにひきずられることなく、施主自身が「安い理由や根拠」を企業に聞き、きちんと納得することが大切。

性能がどこまで担保され、第三者による品質検査がどこまで実施され、将来何十年先の保証であるか、将来の売却時や住み替え時などにも安心できるかなどについても、しっかりヒアリングしたうえで最終的に判断しましょう。
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