田舎暮らし/田舎暮らし・スローライフ情報

都会の部屋を田舎にする四つの方法

都会で暮らすあなたの部屋でも、将来の田舎暮しのためのエクササイズができます。コンクリートの中で自然の息づかいを感じることができる、アイディアとテクニック。この夏休みに、ぜひともお試しください。

堀江 康敬

執筆者:堀江 康敬

田舎暮らしガイド

ベランダで池を楽しむ

少しの緑と、ささやかな水場と、小さな生物。たったそれだけで、あなたの部屋のベランダが自然空間に変わるはずです。

「ビオトープ」は最小単位の自然界です。この窓辺の小さな池が、街の街路樹や公園、道端の雑草、川の土手、田んぼ、山や海と、ビオトープ(生き物が自然の状態で生息する場所)がリンクされます。個人レベルで始められる自然保護活動の一つともいえますね。

画像はイメージです

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・ 池の敷地となる、コンクリートパレットを用意する。工事現場でコンクリートをこねる時に使うあれです。これを薄めの塩水で消毒し、流水で洗い、日なたで乾かします。
・プランターと植木鉢、その底に敷く小石を同じように消毒・洗浄して、パレットに配置する。プランターは水はけが良くなるように穴を開けておきます。
・一日以上、日なたに置いてカルキを抜いた水道水をパレットに入れます。
・ 水の浄化作用があるアシやホテイアオイを入れる。そしてメダカやオタマジャクシを泳がせます。エサになるプランクトンは自然発生します。これでもう、小さな地球の誕生です!

*玄関でビオトープ>>屋外で楽しむ「簡単」アクアリウム(熱帯魚)

本で出かける田舎暮らし

・誰もが感じるこの郷愁……「となりのトトロ」宮崎駿/徳間書店他
今更ですが。昭和30年代お日本の田舎を舞台にしたファンタジーですね。田舎へ引っ越してきた、サツキ、メイ姉妹と、物怪(もののけ)とよばれる不思議な生き物「トトロ」との交流を描いています。地球を、自然を愛するみんなが好きな愛読書(アニメーション)。

・様々な動物に囲まれた暮らし……「ソロモンの指環」コンラート・ローレンツ/早川書房
動物行動学者ローレンツ氏によるエッセイ集。「狼のようなモラルを持つことができるかどうかが人類の運命を左右する」という彼の言葉は示唆に富んでいます。動物好きにはたまらない一冊です。

・焚き火の達人を目指せ……「焚き火大全」編集:吉長成恭他/創森社
焚き火の技術から種類、クッキング、絵画、文学、文化、地球規模の環境問題まで、その魅力と醍醐味に迫っています。まさしく焚き火についてもれなく記された、コンプリートなウンチク本。田舎の「垣根の曲がり角」で是非!

・思わず空を見上げたくなる……「すごい空の見つけかた」武田康男/草思社
高校教師にして南極越冬隊員、気象予報士である著者による写真集。なぜその現象が起きるのか、どうしたら見られるか、科学的に解説。田舎暮らしの空に想いを馳せる時、ぜひ手元に置いておきたい1冊。南極の空の美しさが格別です。

画像はイメージです

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・船乗りは板子一枚下は地獄……「捜神鬼/海獣鬼」西村寿行/講談社
瀬戸内で「なめそ」と呼ばれる怪魚(鮫の一種です)と、年老いた漁師の交流物語り。そうです、ミステリー仕立ての和製「老人と海」ですね。

・田舎暮らしの予習本……「新・自然のしごとがわかる本」永田さち子・沼澤将夫/山と溪谷社
森と山、海、大地、空、動物、環境、食べ物のフィールドに分類して仕事を紹介。田舎暮らしを考えている人はもちろん、これから就職を考えている若い人や、UIターンなどで自然に近いところで働きたい人のてめのリクルートブックです。

さぁ、図書館へ走れ!

田舎の味を手作りする

「ぬか床」って、ご存知ですか? 今や絶滅に瀕しているぬか漬けを作るためのものですね。昔は嫁入り時に実家から分けてもらってきたものです。「あぁ、アツアツご飯に、ナスの紫の、つやつやの、ぬか漬けさえあれば……」と嘆息するご年配の方はいらっしゃいませんか? 今度は自家製ぬか床に挑戦です!

・タッパーも可ですが、フタ付きのホウロウ容器がベスト。この他材料として、米ぬかと塩だけです。ぬかは、米屋さんとかスーパーでどうぞ。
・ 後は好みで、昆布や唐辛子、柑橘系の皮、スルメなどを細かく切って、好みの風味を加えてみましょう。そして、ナスなどの色止めのために錆びた釘を放り込む。ここが先人の知恵ですね。
・漬ける物は、キュウリ、茄子、大根、カブなどが定番ですが、せっかくの自家製、メロンやスイカの皮、青いバナナなども勇気を持って放り込みましょう。
・三~四ヶ月の間じっと我慢して遂にフタをあける。そして部屋中に立ち込める発酵臭に、食欲増進のはずです。

粗食に耐えてみる

もしもの田舎暮らしのサバイバルのために、困窮生活の鍛練も必要です。まず一番に考えられるのは食生活。長期保存が効く、ぬか漬けとあったかご飯の組合わせを推奨しますが、他にもぜひお試し願いたい「粗食レシピ」があります。(材料は全て一人分)

・ heart of lettuce(レタスの芯)
写真はイメージです

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材料は新鮮なレタスのみの超カンタンレシピ。まず、中玉のレタスの芯を包丁でえぐり取ります。えぐったレタスの穴に蛇口を突っ込み水道水を流し込み、カクテルを作る要領でシェイクする。この時水が漏れないように穴を手のひらで押さえるのがポイントです。ひっくり返して水を切れば食べごろです。マヨネーズや粗塩などのお好みの味でご賞味ください。

・蕎麦湯のアウトドア風
材料はそば粉大さじ1、自然塩少々。そば粉を水4分の3カップで溶かし、弱火にかけてゆっくり火を通し、塩を加えます。近所の公園で千切ってきたハーブなどを浮かべると、お洒落ですね。できれば器もブリキのカップなどで決めれば、田舎暮らしへの想いが募り、しみじみできます。

・魯山人まね昆布とろ飯
かの魯山人の作品からの復刻困窮版レシピです。材料は昆布と白飯。まずは昆布を針のようにひたすら細く刻み、それを鰹だしで泡立てるように伸ばしていく。かき混ぜ伸ばしを繰り返すこと数十分。トロトロに泡立った昆布を炊きたてのご飯にかけ、醤油を数滴。熱いうちにアフアフと頬ばり、かき込む!気分はグルマン。

さぁ~て、これだけやれば田舎暮しのための準備は、ほぼ完了!? 試してみるか、やっぱり遠慮するか。それが問題だ。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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