クラミジア肺炎の診断
胸部X線で肺炎の有無を確認します。胸部X線検査ではマイコプラズマ肺炎に似た肺炎なので、肺炎があれば、血液検査を行います。咳がひどい時に検査する事もあり、今後、診断されることが多いと考えられます。
血液検査では、炎症が強いと数字が高いCRPというタンパク質を調べますが、その数字は上昇しますが、個々によって異なります。実際に見ていると5mg/dl以下のことが多いという印象です。
確定診断は、クラミジア肺炎に対する抗体という免疫反応を調べます。
単回で判断する場合は、IgG、IgAという抗体が3以上かIgMという抗体では、子供で1以上、大人で1.6以上でクラミジア肺炎の感染と判断されます。2週間空けて、2回検査を行い、IgA、IgGという抗体が上がっていると感染と判断されますが、実際にはなかなか2回採血しにくいので、1回の採血と症状で判断されます。
クラミジア肺炎の治療
抗生物質が効きますが、長めに飲みましょう
■抗生物質
- マクロライド系抗生剤(エリスロシン・クラリシッド・クラリス・ジスロマック・リカマイシン・ミオカマイシン・ジョサマイシンなど)
- テトラサイクリン系抗生剤(ミノマイシンなど)
- ニューキノロン系抗生剤(オゼックス)
エリスロシン・クラリシッド・クラリスのマクロライド系抗生剤は、喘息の治療薬であるテオフィリンと相互作用で、テオフィリンの副作用を引き起こす可能性があります。
テトラサイクリン系抗生剤は、8歳以下の子供に、2週間以上長く使用すると、歯が黄色になったり、骨の発達に影響を受けると言われてます。ニューキノロン系抗生剤も、関節への影響から子供にあまり使用されませんが、最近、子供でも使えるニューキノロンがあります。これらの抗生剤は副作用に注意して使う必要があります。
咳や鼻水・鼻づまりがひどいときには、咳や鼻水を抑える薬や鼻づまりを抑える薬を使います。
抗生剤は、クラミジア肺炎に効果のある時期があるので、10日~2週間ぐらい長めに服用することが勧められています。
診断・治療はマイコプラズマに似ていますので、「マイコプラズマ肺炎の症状・治療・予防法」を参考にしてください。
クラミジア肺炎の予防
クラミジア肺炎は重症が少なく、抗生剤で治りますが、予防が大切です。飛沫感染ですので、流行している時期には、人混みを避けて、十分な睡眠と栄養・うがい・手洗いをしましょう。家族内での感染にも注意しましょう。診断と予防については、
「咳事典 咳を科学する-その咳、大丈夫?危険!-」にも書いてありますので、参考にしてください。