不妊症/全国の不妊治療の病院・クリニック・治療院

浅田レディースクリニック 浅田義正院長取材―後編

フジテレビの番組『エチカの鏡』でご存じの方も多いと思います。浅田レディースクリニックの浅田院長先生にみっちりと話して頂きました。インタビュー後編です。

執筆者:池上 文尋

浅田レディースクリニック浅田院長先生へのインタビュー後編です。前編を見て頂いてお分かりの通り、とにかく包み隠さず話を展開して頂いております。後編もお話は続きます!

浅田先生というと顕微授精というイメージがありますが、一般的な不妊治療や人工授精なども患者さんの状況に合わせて行われるのでしょうか?

名古屋駅前は体外受精専門にしようかと最初考えていたのですが、やはり患者さんと話しをするとどこから始めるか、ここからが体外受精だという発想はあまりいないです。

それを判断する患者さんに知識はないし、治療するなかで系統的に行っている先生はあまりないという状況もありました。

浅田レディース

患者さんと相談しながら治療方針を決定していきます。

体外受精中心の施設にはなっているのですが、もちろんタイミングから始め、人工授精からリーズナブルなステップアップしていくという前提のもとに、不妊治療が初めての患者さんもすべて受け入れています。結局、勝川と同じ体制にしました。

ですから、年齢・卵巣予備能、いくつまでに妊娠したいという思いを総合して、スタートの治療、ステップアップをその都度判断しています。当院はこれしかしませんというようなカチカチの頭で対応しているわけではありませんので、安心していただきたいと思います。

患者さんの視点で見ると最先端の素晴らしい技術と分かるのですが、気になるのは治療費の問題です。名古屋駅前のクリニックは土地代も高いと思うのですが、治療費も勝川より高いのでしょうか?

勝川クリニックに比べて建設費がかかっているし、家賃も高いので、当然高くて当たり前だろう、自費部分は2倍でもおかしくないだろうという気持ちも、私自身の中でありました。

例えば、同じカレーライスを勝川駅前で食べたのと、名古屋駅前で食べたのと、高級な立地があれば高くても当たり前という意識がありました。

逆に、マクドナルドとか吉野家の牛丼とか日本全国同じ値段です。患者さんにとっては医療費というのは日本全国同じだというイメージがあるようです。私は自費の診療は高くなりますよというお知らせを実際ブログに書いたことがあり、ものすごく反発が来ました。

浅田レディースクリニック

JR名古屋駅桜通口を出た向かい側のビルです。

せっかく名古屋駅が近いからそちらに移ろうと思っているのに、例えば50万円の体外受精だったら2割高になると10万円違う。何万も違うと動けないという意見がありました。

私はこんなにお金をかけたのだからというイメージがあったのですが、いろいろと考えてみて、やはり同じスタッフで、同じレベルの治療を名古屋も勝川もやっており、患者さんにしてみれば同じ。私としてはお金を何倍も使って作った施設に、最新鋭の材器を導入しているので、高くて当たり前と思っていたのですが、結局撤回し、同一料金にしました。ですから名古屋駅前も勝川も同じ医療費です。

ビルの賃料もすごく高いです。でもそれだけ高い土地に立派な施設を作ったのですから、患者さんにはそれをいっぱい利用していただいて、結果を出し、どんどん患者さんが妊娠していただければそちらの方が私の本望だと思っています。

最初は建設費を見てひっくり返りそうになりましたが、今となっては皆さんにいっぱい利用して欲しいと思っています。もともと名古屋というのは東京・大阪に比べれば割安感があります。平均よりもちょっと安く設定して同業者からいろいろと文句が出ました。

生殖医療のレベルはどんどん上げていきたいと思っていますが、なるべく料金の方は皆さんが利用しやすいところで、なるべく据え置いていくのが社会貢献かなとも考えるようになりました。

人気TV番組『エチカの鏡』に取材された後の患者さんや受診された方の反応はいかがでしたか?

それまで、地元でニューステレビに出たことはあったので、少々テレビに出ても変わらないでしょうと思っていました。フジテレビのディレクターが電話番号教えてもいいですかと聞いてきたので、地元のテレビに出てあまり変わらなかったので「いいですよ」と言いました。

しかし『エチカの鏡』を見ている人の数が圧倒的に違ったので、次の日から電話が鳴りっぱなしになり、ビックリしました。それから説明会の予約が取りにくいと言われていたのが、もっと取りにくくなりました。

asada

番組は昨年10月で終わりましたが、今でも番組を見た方からのお問い合わせがあるそうです。

また、その時に患者さんの平均年齢が2歳ぐらい上がりました。日本全国北海道から石垣島までの患者さんから問い合わせがあり、またそういう患者さんが来院されました。ですから、できるだけ当院で治療したいと言う人を多く受け入れたいというのと、遠くから来る人の利便性を考えなければと、そのころから思い始めていました。

なんとかしなければ、うちは満員だからといってお断りしているという現状に、満足していていいのかという問いは自分の中でずっとありました。浅田式の不妊治療が患者さんの役に立てば、もっと広げていきたいとずっと思っていました。

受診された方の反応はよくわかりませんが、高齢の人がどんどん増えてもそれに見合うだけの妊娠の結果を出しているつもりですし、高齢の人に対して治療法はいろいろと変わってきていますので、それに合わせてホルモン測定等いろいろなことを変えてきています。

高齢の人でも卵をちゃんと採れるように、どんどん妊娠例をだしていきたいということで、新しい治療を考えています。成功した人からは、素晴らしい施設に巡り合えてよかったとか、もっと早く通えばよかったという手紙をいっぱいもらっています。

妊娠・出産されていない方のアンケートは取りにくいのでその辺のところはわかりませんが、私として地域医療ではなく、レベルの高い不妊治療を出来る限り広く提供するということを目指しています。

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