売りにくいことがマイナーの欠点
ここまでは、マイナー資産に惹きつけられる内面の問題をご案内しましたが、マイナー資産にある欠点とは何でしょうか。それはマイナーであるがゆえに、売りにくいということです。誰でもが欲しい資産ならば売りやすく売値も付き易いのですが、買い手の少ない資産は処分するときに苦労します。特にマーケットでみんなが売りたくなるようなパニック時にはなおさらです。だから、マイナーよりメジャーな資産が望ましいのです。メジャーな資産に目が向かない人に知って欲しいもう一つのことは、資産運用で大事なことはWhatではなくてHowだということ。そして、同じくらいに大事なことは、売買する行為よりもどう考えるか?という思考の問題であるということです。tradeではなくてthinkが成果を作ります。
考え方が結果を決める
どんな未知の資産を探し出すかが大事ではありません。むしろ、目前で起こっている世の中の現象をどう捉えてどう解釈するかが大事なのです。「だれでも欲しがる普遍的な資産を安いときに買っておけば儲かる」という簡単な原則があります。簡単ですが、これをほとんどの人が実践できていません。つまらないものを高値で掴む人が多いのです。その差を付けるのが思考の部分です。たとえば、最近の高騰する金投資があります。2006年から上昇を始めて30年間更新されなかった史上最高値を突き抜けてもう二倍になりました。この現象に乗り遅れては損すると思うか、今は売り時でこそあれ買い時ではないと思うか、そこが成否の分かれ目です。投資対象が金でも銀でも食糧でも同じです。問題は解釈と思考です。
情報に踊らされない
多くの人は毎日流される偏った情報から間違った解釈をして生きています。それに気づき自分の視座を確保できれば、長期運用で成功することは実は簡単なのです。ならば、ニッチでマイナーな資産など目をくれる必要はないじゃないですか。いつでも時価で売れるようなメジャーな資産で勝負すべきだと申し上げています。本稿は投資家が十分に分散されたポートフォリオで投資していることを前提に書かれています。日本の株だけ買う集中投資や短期的な利ザヤ稼ぎを狙ったトレードをされている方には当てはまらないことをお断りしておきます。