資産運用

まとまったお金を貯めてから運用というウソ(3ページ目)

投資教育についての本などで、「タネ銭」つまり、まとまったお金を貯めてから運用を始めようというアドバイスをよくみかけます。これはウソです。タネ銭がなくても運用はスタートしてもいいのです。タネ銭神話のウソに迫ります。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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積立なら今月から投資が始められる。思い立ったら今すぐ!

ゼロ円からいきなり投資をすることに不安を覚える人もいるでしょう。でも大丈夫です。

もしあなたが特に借金もなく、仕事をしており毎月の給料やボーナスが入る社会人であれば、無理のない金額で毎月積立投資を始めていいのです。

銀行や証券会社のHPを調べてみると「積立投資信託」に関するコーナーがあるはずです。店頭に相談に行ってもかまいません。少額からの積立であれば、運用手数料(信託報酬)の低いインデックス運用の投資信託を選べばいいでしょう(投資信託を活用したインデックス運用は分散投資を行い、投資リスクを低くする効果があります。個別銘柄での投資初体験ではいきなり上場廃止になれば資産は半減してしまうが、そういう事態を避けられます)。

積立投資のいいところは、面倒だったり、サボりたい誘惑があるときも自動的に積立が行われるところです。最初の手続きだけ面倒ですが、思い立ったら吉日ともいいます。

ぜひ「タネ銭貯めずに、いきなり投資」をチャレンジしてみてください

■   ■

(FPの皆さんへの追伸)
「まとまったお金で投資」というのはもっともらしいアドバイスのようですが、最初からFPがそう決めつける理由はありません。むしろ、投資経験を先送りさせることが顧客の不利益になると私は思います。
FPとして重要なのは、顧客の将来の稼ぐ力と現在の資産状況を踏まえて、投資にチャレンジできるだけの知識を提供することではないでしょうか。

そもそも一般の方々の投資選択肢として、個別銘柄を複数購入する提案より、投資信託を活用して少額からの分散投資を提案することが現実的だと思います。

だとしたら、ゼロベースからの積立投資信託の提案を避ける理由はありません。

もちろん、預貯金ゼロの状態が好ましいわけではありませんから、投資信託1万円、預貯金1万円を毎月積み立てる、というような分散も提案してしかるべきでしょう。しかし、投資を先送りさせる必要はないはずです。

相談に乗る立場として、投資を先送りさせることは提案を楽にします。しかし、投資を含めた提案を先送りしても、提案のレベルアップにはなりません。ぜひ、自身も投資経験を積みながら、顧客の投資機会を奪わないアドバイスをしていただければと思います。
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