タネ銭貯めてから運用すべき、というウソアドバイス

投資教育に関する本を書いていて、投資教育のウソも暴こうと思っています。
その中から、前回は「なくしてもいいお金で運用する」というよくあるアドバイスのウソを取り上げてみました。

今回は「タネ銭」というウソについて触れてみたいと思います。投資初心者向けの雑誌や書籍をみていると「まずはまとまったお金を貯めよう」「そして運用にチャレンジ」という流れの説明がよくあります。理由はあいまいなままに「まずは100万円を貯めよう」なんて金額まで指定していることすらあります。

率直にいえば、これはウソです。まとまったお金がなくても運用は始めればいいし、運用を始めるにタネ銭が必須であるような誤解を与えることは、アドバイスをする側を楽にしますが、相談者のためにはならないからです。

でも、「まとまったお金」が運用に必要だと誰もが思っているのではないでしょうか。タネ銭神話のウソに迫ります。

まとまったお金がなくても運用ができる時代になった

まず、100万円程度のまとまったお金が必要という発想の根幹に、「投資はお金がないとできない」という固定観念があるようです。

確かに、かつては株価も高く、単位株も1000株からしか売買できない銘柄が多かったため、「1株1000円と思ったら、1000株単位なので100万円単位でしか買えない」というようなことが起こりました。確かにタネ銭作りが前提となります。

しかし、今はそのような投資しか選択肢がないわけではありません

投資信託であれば10000円前後が一口の購入価格になっています(1円単位にバラして購入金額を自由に決められる投資信託も多い)。

株式についても株式の分割、売買単位の引き下げが進んだ
ため、1株ないし10株で購入できる銘柄が増えています。4~5万円で株主になることができる時代です。20万円もあれば、2~3銘柄での分散投資もできるくらいです。

こうした「実際にはできる」ということすら知らずに「まとまったお金がないと投資ができない」というような説明をするFPがいたとしたらこれは大いに問題といえます。これは明らかに「ウソ」だからです。

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