資産運用

まとまったお金を貯めてから運用というウソ

投資教育についての本などで、「タネ銭」つまり、まとまったお金を貯めてから運用を始めようというアドバイスをよくみかけます。これはウソです。タネ銭がなくても運用はスタートしてもいいのです。タネ銭神話のウソに迫ります。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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タネ銭貯めてから運用すべき、というウソアドバイス

投資教育に関する本を書いていて、投資教育のウソも暴こうと思っています。
その中から、前回は「なくしてもいいお金で運用する」というよくあるアドバイスのウソを取り上げてみました。

今回は「タネ銭」というウソについて触れてみたいと思います。投資初心者向けの雑誌や書籍をみていると「まずはまとまったお金を貯めよう」「そして運用にチャレンジ」という流れの説明がよくあります。理由はあいまいなままに「まずは100万円を貯めよう」なんて金額まで指定していることすらあります。

率直にいえば、これはウソです。まとまったお金がなくても運用は始めればいいし、運用を始めるにタネ銭が必須であるような誤解を与えることは、アドバイスをする側を楽にしますが、相談者のためにはならないからです。

でも、「まとまったお金」が運用に必要だと誰もが思っているのではないでしょうか。タネ銭神話のウソに迫ります。

まとまったお金がなくても運用ができる時代になった

まず、100万円程度のまとまったお金が必要という発想の根幹に、「投資はお金がないとできない」という固定観念があるようです。

確かに、かつては株価も高く、単位株も1000株からしか売買できない銘柄が多かったため、「1株1000円と思ったら、1000株単位なので100万円単位でしか買えない」というようなことが起こりました。確かにタネ銭作りが前提となります。

しかし、今はそのような投資しか選択肢がないわけではありません

投資信託であれば10000円前後が一口の購入価格になっています(1円単位にバラして購入金額を自由に決められる投資信託も多い)。

株式についても株式の分割、売買単位の引き下げが進んだ
ため、1株ないし10株で購入できる銘柄が増えています。4~5万円で株主になることができる時代です。20万円もあれば、2~3銘柄での分散投資もできるくらいです。

こうした「実際にはできる」ということすら知らずに「まとまったお金がないと投資ができない」というような説明をするFPがいたとしたらこれは大いに問題といえます。これは明らかに「ウソ」だからです。

→「経験を早く積む」ためにもタネ銭は貯めない!次ページへ
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