20代は、一番病気になりにくい年代
忙しい年代、自分をなかなか優先させることがしづらい年代だからこそ健康診断の意義はあります。
その分、自分の健康管理はどうしても見過ごされがち。会社を始めとするさまざまな場面でヒエラルキーの下の方ににいることが多い20代にとっては、周囲に気を遣ってなかなか自分の都合を優先させることは難しいのかもしれません。
だからこそ、20代にとって年に1度の健康診断は20代ならではの意義があります。受診のポイントについて解説しましょう。
20代が健康診断で確認すべきポイント
基本的にはほとんど異常が指摘されることが少ない年代ですが、ポイントとして押さえておきたいのは、急性疾患です。色々と気になる症状があっても、元気だし、なかなか医療機関に受診できないという年代だからです。例えば、胃や腸の不調や呼吸器系の不調は、症状としては一般的なものですが、その裏に思わぬ病気が隠れている可能性があります。
- 食欲不振:ストレス性の胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 便通異常:炎症性腸疾患
- 咳や微熱:結核や肺炎
不整脈・内臓逆位……先天性の異常にも要注意
20代の方では、先天性の疾患が健康診断のレントゲン写真で改めて確認されるケースもあります。
また、極めて稀ですが内臓逆位(内臓が左右逆転している、人間の発生過程で起こる疾患)なども、健康診断で受けたレントゲンで初めてわかるケースがあります。
20代の女性ならではの健康診断のポイント
女性の場合、ちょっときつめのダイエットや食生活のアンバランスによる貧血や低栄養状態は血液検査でチェック可能。貧血の場合には、血液が作られづらい場合と出血や溶血(血が壊れてしまうこと)によって血液が減っていく場合の2つが考えられます。年に1度の検診においては医療用放射線被曝の心配は問題ありませんが、妊娠中やその心配があるときには、避けた方が無難です。
特に後者の場合には、年齢的には稀ですが、子宮筋腫や卵巣膿腫などの婦人科疾患、双角子宮(子宮が奥の方で二つに分かれている疾患。月経過多や不妊の原因になる)などの可能性があり、婦人科での診察や腹部超音波検査(エコー)などの検査が望ましいケースもあります。
また、20~30代の女性の場合は、妊娠中のレントゲン検査についての不安が多いようです。一般に、医療用放射線の影響はきわめて低いものですが、妊娠中や妊娠が疑われる時期の検診ではレントゲン検査は控えられると良いでしょう。
■ 20代の健康診断メニュー例
胸部レントゲン写真・採血・心電図・聴力・視力