オーディネール=「日常」、下北沢から初台へ
膨大な趣味の良い蔵書と、ネルドリップするおいしい珈琲とジャズ。その理想的な三要素を東京で最も初期に実現したカフェ・オーディネール。開店11年を迎えた2011年3月10日、オーディネールは下北沢から初台へと移転を果たしました。オーナーの秋本さんが多忙の合間をぬって「引っ越し20日間の手記」を綴ってくださいました。
今回の記事では、その手記を秋本さんによる写真とともにご紹介します。
※2000年オープン当初のカフェ・オーディネールについてはこちらをどうぞ。
(左)塗料を扱う際はレインコートで完全装備です。
(右)床フローリングや家具類には養生をして塗ります。
ぼくらが引越をする理由
(文・秋本高志=cafe ordinaireオーナー)2000年9月にオープンした旧下北沢店。この街にしては家賃がお手頃だったし、特に不満があったわけではないのです。
しかし今になって冷静に考えると、雑居ビルの3、4階で、しかもビルへの入口は裏からという最悪の条件なわけです。当時よく契約したなと。
とはいえ、その最悪な条件を「隠れ家っぽい」とか「雰囲気が落ち着く」とか、窓からの景観の良さなど、デメリットをメリットに巧く転換して営業を続けてきたわけなんです。
お店が軌道に乗ると、そんなデメリットは全く気にならなくなり、むしろ一度足を運んでもらえたらオーディネールを覚えてもらう強烈なインパクトを残すようなアドバンテージにさえなったと感じていました。
▼じゃあ、なぜ移転を?…その理由は次ページで。