インスリン依存型糖尿病(1型糖尿病)の検査
尿を試験紙につけてみる検尿検査で、糖の部分が陽性になると、糖尿病が疑われます。血液検査で、高い血糖値(200mg/dl以上)、血液中で酸素を運ぶヘモグロブリン(Hb)の1つであるHbA1c、血液中のタンパク質であるアルブミンの1つであるグルコアルブミンの値が高くなります。免疫の異常でもあるインスリン依存型糖尿病(1型糖尿病)では、自分を攻撃する抗体が血液中に出ています。膵臓の内のβ細胞を含むラ氏島細胞抗体、抗グルタミン酸脱炭酸酵素抗体(GAD抗体)が陽性になります。子供のインスリン依存型糖尿病(1型糖尿病)では、これらの抗体は、約80%、GAD抗体60~70%で陽性になります。
糖尿病の症状が無い場合には、実際に糖分を摂取し、血液中の糖を測定する経口ブドウ糖負荷試験を行うことがあります。
インスリン依存型糖尿病(1型糖尿病)の治療
ペン型で打ちやすいタイプのインスリンが出ています(サノフィ・アベンティス社 写真提供)
低血糖や高血糖のために、意識がなくなることがありますので、糖尿病であることを周囲に教えておきましょう。低血糖による意識の低下のままになっていると、脳へのダメージが大きくなってしまい、神経的な後遺症を残してしまいます。
血糖が高く、糖尿病性ケトアシドーシスの状態で、意識も無く、循環不全、脱水の場合は、輸液を行い、血糖を下げるために、インスリンを持続的に投与します。糖尿病性ケトアシドーシスでは、時に、脳が腫れている脳浮腫が起こりますので、頭部CT検査を行った上で、脳の浮腫を取る薬を使います。
インスリン依存型糖尿病(1型糖尿病)の合併症
血管への合併症です。特に小さな血管が詰まってしまうために起こってくることが多いです。目のフィルムの役割を果たす網膜の障害(網膜症)によって失明に至ったり、腎臓への障害(腎症)により透析治療が必要になったり、神経障害による皮膚の怪我、怪我が治りにくく、結局、足の切断にいたることがあります。これらの合併症を防ぐためには、血糖のコントロールが大切です。