防災/防災関連情報

災害で崩壊したモラルと自衛策(2ページ目)

東日本大震災による被害は、津波や地震による被害だけではありません。人的被害ともいえる、犯罪が数多く発生しているのです。今後、どのように自衛していくべきなのかについて考えてみます。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

「三次被害」とも呼ぶべき被災地の現状

あまりにも甚大な災害が発生すると、その地域では「モラル」が一時的に非常に低下するということはよく言われています。ただ日本人のモラルの高さは世界でも有数であり、それらは海外からも高く評価されていました。決してスーパーからの略奪行為などは起きることはないと思われていました。

残念なことにそれらは被災地の多くで頻発し、閉店しているコンビニなどは自衛のために、「目ばり」をした店舗が多く見受けられました。これは商店の中に商品があるのが分かると、ガラスを割って侵入者が入る事件が多発したためです。しかも集団で略奪行為を行う盗賊団のようなものまで現われているようです。それらは決して地元の人間とは限りませんが、だとすれば、そのような疲弊した被災地での行為は決して許されるものではありません。厳罰に処分されるべきですし、その対策を行わなければならないでしょう。


自ら得る努力をする「地域の安全」

避難所

防犯をするために避難所では見回りなどを行っている

これだけの大規模な被害が発生しているのですから、被災地では治安を保つのは大変困難です。そのため、自衛隊をはじめとして、全国の警察組織が応援部隊を送り、被災地の治安を守っています。さらに避難所に生活する人々も、深夜に跋扈する盗賊集団に対して、自衛の手段も始めています。各被災地のエリアでは、出来る限りの見回りを行い、犯罪発生の危険を少しでも減らす努力をしています。「人の目」による監視は犯罪リスクを下げることが可能です。

そして、これらの犯罪行為を減少させる方法は、何よりも地域のコミュニティ能力です。避難所ではきちんとした名簿作りと、監視ではない、住民同士の目配り、気配りが行われることで、住民以外の人間が地域に侵入するのを防ぎ、さらに若者の非行、蛮行を防ぐことも可能になります。地域の治安を守ることは最終的には警察権力ではなく、人と人とのつながりによって保たれるものなのです。

ご近所づきあいのある地域では、外部からの侵入に対して非常に強固な防犯が可能になります。治安は住民自らが勝ち取るものであり、参加しないことには得られるものではありません。「誰かが、どうにかしてくれる」ものではないことを今一度考える時ではないでしょうか。


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