防災/防災関連情報

災害で崩壊したモラルと自衛策

東日本大震災による被害は、津波や地震による被害だけではありません。人的被害ともいえる、犯罪が数多く発生しているのです。今後、どのように自衛していくべきなのかについて考えてみます。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

被災地で起きている報道されない「被害」とは?

避難所

大規模な避難所には数千人規模の住民が避難している

東日本大震災の被災地を回って、まず驚いたのは、その被害規模が想像以上に大きいということ。沿岸の地域はとにかく津波による破壊が激しく、車で走ると瓦礫がどこまでも続いている状態でした。これらの地域は当然、電気、ガス、水道などのインフラの整備が進んでいないために無人の街となり、その無残な姿をさらしていました。

そして次に驚かされるのが、ある一線を越えると、その被害が全く見られない、平和な街の景観が広がっているという不思議さです。被害のほとんどが津波によるために、波が届かなかったところは家屋にその形跡すら見られないのです。ただしその地域でもインフラが回復していないために、住民が避難所に移っている無人の家屋や、シャッターを閉ざした商店街、大型店舗が数多く見られました。

これらの場所で、震災後、残念なことに予想外の「被害」が発生しているということは、これまで余り報道されていませんでした。現地避難所で驚くべき実態を聞くことができました。それは被災した家屋や商店、大型店舗への侵入、金銭や器物の盗難、さらに火付けなどが横行しているという事実でした。被災地のある地域の子供たちに「宝探しゲーム」が流行っているという話は本当に憂慮すべき事態です。

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