できること自分ですることができるかどうか
保証制度の中身を比較する前に、メンテナンスに対する自分の姿勢を見極めましょう。まず、できることは自分で行う時間的なゆとりや技術、覚悟があるかどうかです。住宅メーカーによっては、木製デッキや木製サッシなど住宅の一部ではあるものの、自分で防腐塗装を定期的にすることを推奨している会社もあります。この住宅の場合は、自分で作業することができなければ、よい状態を維持することができなかったり、手入れを依頼することによってよけいに費用がかかることもあるわけです。ですから、メンテナンス体制によっては、自分に合わない住宅もあると考えましょう。
最も、そういった作業をしないまでも、1年に一度くらいの割合で自分なりに住宅の点検をする心構えはしておきたいですね。
定期点検の回数と点検の時期に注目
定期的に点検を実施し、適切な時期にメンテナンスを行わないと、家はよい状態を保てなくなる可能性が高くなります
また、点検は無料であるに超したことはありませんが、無料の回数だけを比べるより、どのタイミングでどんな部分を見てもらえるのかを比べたほうがいいでしょう。そして、有償の場合は定期点検を受けた場合にどんなメリットがあるのが確認しておくことが大切です。
構造体の保証期間と諸条件を比較
さらなるチェックポイントは、構造体の保証期間や内容についてです。前ページで説明したように、住宅メーカーによっては同じ構造体でも雨水浸入に関係のある部分と関係ない部分とで保証期間を分けている会社もあるので、自分が検討している会社では、具体的にどの部分が保証対象になっているのかを確認しておきましょう。
また、有償の工事や点検を受けた場合に保証期間を延長するなどの条件が付与されている場合は、その条件についても調べておくことが必要でしょう。契約したいと思った会社があったら、過去の有償工事の内容や金額など、これまでの経験によってどんな場合が想定できるのか、細かく聞いておきましょう。
建築後にかかるランニングコストを算出しているか
最後のチェックポイントは、建築後住宅を維持していくための修繕計画とそれにかかるコストを算出しているかどうかです。長期修繕計画を立てていれば、当然、いつごろ、どんなことに、いくらくらいのコストがかかるのか、およその検討を立てているはずです。そうすれば、新築時の費用が同程度の住宅でも、ランニングコストの差がはっきりすることもあると思います。また、工事をするタイミングも、できることなら、まとめられる工事は一度にまとめて効率的に実施するなど、費用の総額を抑えることが考えられていれば理想的ですね。
このように、住宅メーカーの長期保証制度とひと口に言っても、内容はさまざまで、各社それぞれに特長があることがわかっていただけたのではないでしょうか。