退職金と企業年金はぴんとこない

一般的には9割の企業で何らかの退職金制度がありますが、現役で働いている限り、あまり実感することのない制度だと思います。「たぶん、あると思う」「あるけどよく知らない」というぐらいのイメージで、むしろ健康保険の給付や諸手当のほうがリアリティがあるのではないでしょうか。

しかし、退職金や企業年金について知らないことは大きな損失になる可能性があります。もしかすると年収数年分にもなるお金の準備を、まったく知らないで過ごしている可能性があるからです。

知っていれば、老後のお金の準備計画もがらりと変わりますし、老後に対する不安もかなり和らぐことでしょう。また、会社に対する意識や働きがいにも変化があるかもしれませんね。

今回は「企業年金、退職金の役割」という話をしつつ、「退職金と企業年金の違い」という基本をご紹介します。

老後のお金の準備として欠かせない仕組み

老後のお金は、一般的な夫婦のイメージとして3000万円くらいを考えればいいでしょう。

しかし、3000万円はあくまでモデルです。独身者は生活が豊かな分、ひとりで2000万円以上必要だと思いますし、年収の高い人はその分上積みをしていく必要があります。
はっきりいえば、誰にとっても老後に必要なお金の額はまったく油断できない金額だということです。

これだけの金額を全部、自力で貯めていくのは大変です。ほとんどの人は「3000万円?無理無理!」と返事をすることでしょう。
このとき、「すでに1000万円ないし1500万円を会社が準備してくれている」としたらどうでしょう。目標の実現まで自力で努力する部分が3割ないし5割少なくなります。今からあきらめずに準備を始めれば間に合うかもしれません。

国の年金が下がり、健康保険の自己負担や増税が予想されていく中、老後に備えるお金は余裕をもって考えておきたいところです。しかし、全部自分の力だけで用意するには限界があります。目の前の生活費や教育費、住宅ローンの返済なども無視できないからです。
しかし、毎月の生活ばかり優先して老後のことを先送りしても、問題は解決しません。

実は退職金や企業年金は、あなたの老後のお金の準備を会社が一部肩代わりしてくれる仕組みなのです。

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