大きなウインドウで幸せの予感
ビジョスペースコンセプトによる、大きいフロントウインドウとガラスサンルーフによる広いガラスエリアが特徴的なシトロエンの7人乗りマルチパーパスビークル。ボディサイズは全長4590mm×全幅1830mm×全高1685mm。エクスクルーシブのみをラインナップし、価格は349万円
けれども、たとえばこのC4ピカソあたりにいちど乗ってしまうと、こと“フツウに走らせる”という観点から眺めなおしてみれば、和製ミニバンにまだまだ改善の余地があることを知ったりする。おそらく、2007年にC4ピカソの輸入が始まってから、2011年春の段階でもなお、日本で買える2リッタークラスのミニバンカテゴリーにおいて、最も気持ちよく運転できるミニバンがC4ピカソだと断言しておく。
当初は2リッターだったが、現在では他のシトロエンラインナップと同様に1.6リッターターボを積む。そのぶん、実用トルクが増えて、ミニバンにふさわしい力強い走りを手に入れた。マイナーチェンジも実施され、4ATはラインナップ落ちとなったものの、6速セミオートマチックで軽快に走らせる楽しみの方は残った。
ライドフィール以上に注目して欲しいのが、最前列の頭上まで伸びた、でっかいフロントウインドウだ。C4ピカソのアイコンである。
実際に乗ってみると、その開放感もさることながら、家族で走るミニバンにぴったりな、ある感情が芽生えてくる。それは、この道をみんなで走り、あの山を超え、あの街の向うにいくと、何やら楽しいことに出会えそうな予感、のようなもの。このままみんなと一緒に走って行けば、どんどん幸せになるんじゃないか、という感覚だ。こんな気持ちにさせてくれるミニバンは、C4ピカソだけである。
そういう意味でも、“乗り心地最高”のミニバンなのだった。