絶対評価か相対評価か?
成績評価が日本の大学時代と異なる可能性があるのは、絶対評価と相対評価のどちらを利用するか、そして相対評価の場合はDとなる学生割合の数値目標があるかです。国内ビジネススクールは絶対評価の学校が多く、特に夜間ビジネススクールでは学生の忙しさを考慮にいれ、絶対評価を採用している学校が大半です。絶対評価では出席ができなかったりテストの成績が悪くない限り、Dはつかないので退学などを考える必要はありません。
一方、海外ビジネススクールと一部の国内ビジネススクールでは、相対評価が中心になります。相対評価の中でも学校の考え方により、A、B、C、Dの割合が異なり、その割合によってはクラス内での熾烈な競争を勝ち抜く必要があるのです。厳しさで有名なのは、ハーバードビジネススクールやINSEADです。これらの学校では少なくとも必修科目においては、AとDを学生の各1~2割、BとCを各3~4割と決めていて、不合格も1割弱でます。これは、GPAで1.6を超えるための脅威となります。
例えば、最初の1学期が5単位あり、2科目で下位20%に入るDを取ると、残りの科目をAかBをとらないと退学の恐れがでてきます。不合格を1つもとらなくてもです。このシステムが厳しい学校は、学生間の競争意識が高くなる傾向にあります。ガイドが通ったINSEADでは、最初の1学期で200人中の5名が1.6を下回り退学になりました。ロンドンビジネススクールなどでは、退学にはさせずに、留年の措置もとっています。
では、なぜこのようなシステムをビジネススクールがとるのでしょうか? 学生の成績評価を厳しくすることで、卒業生の質を学校側が確立できるからです。ビジネススクールの評価となるビジネススクールランキングにおいては、卒業生を企業側が評価した点数が加算されるので、ランキングの順位を上げるために卒業を厳しくし、卒業生の質をコントロールします。ガイドの経験からも、退学の恐怖から、学生の勉強量、授業中の発言にかける意気込みは素晴らしくなっていた部分があるように感じます。
優秀な成績で卒業し、良い就職を
成績のいい学生は、学生の上位5%に入ることを目指します。GPAで3.8以上の成績をとる学生です。この上位を巡る競争は、海外ビジネススクールの特徴。日本の大学では当たり前のことであった、ノートの貸し借りがあまりされない学校もあります。そこまでして良い成績で卒業したいのは、人気が高い戦略系コンサルティング企業や投資銀行が採用の際、重視するからです。企業派遣者は要注意
企業派遣者は、お金の問題がないまま留学ができてよいようですが、この退学・留年システムが唯一の気がかり。ガイドが知っている限りでも、企業派遣でありながらハーバード大学やINSEADで成績不十分で退学になってしまい、強制帰国をした人がいます。また、私費留学者でも、留年をすればその分余計に授業料がかかるので、注意しましょう。ビジネススクールの成績についてご理解いただけたでしょうか?ガイドも、成績不振で強制帰国にならないように、GPA1.6以上を死守するため深夜まで胃が痛くなりながら勉強しました。今思い起こせば、懐かしい思い出です。
ぜひ少しでもよい成績で卒業できるよう頑張って下さい!
<参考記事>
全日制ビジネススクール生活