基本は家具の転倒防止
狭い廊下に置いた家具が倒れてトイレに閉じ込められた事故がある
収納家具の転倒防止対策としては、天井と家具の間を専用のつっぱり棒で固定する、壁と家具を金具でつなぐといった方法があります。そして棚に収納するときには、重いモノを下にしまって、重心を低くするのがポイントです。また、収納家具が前のめりにならないように、家具の足元にクサビ状の補助グッズをはさみ込んで、手前を少し高くします。
家具扉の開放を防ぐ
地震後に自動解除しないロックは強くたたいて開ける
その場合には、市販の耐震ロックを購入して、自分で取り付けることをお薦めします。扉と棚の内側の上部に、ネジで取り付けるだけなので簡単です。また、ガラスの収納扉には、飛散防止フィルムを貼って、割れた破片が飛び散らないようにしておくといいでしょう。
引き出しの開放こそ要注意
ムラコシ精工の新宿ショールームでは実験装置によって性能が確認できる
キッチンで調理中に地震が起こった際に、その場で低い姿勢になると、引き出しの直撃を受けるかもしれません。また、オープンキッチンではダイニングにいる人にまで、同様の事態が想定されます。そこで、地震時の揺れを感知して、自動でロックされる金物を引き出しにも取り付けておくのが安心です。
その金物というのは、小刻みで速い振動から、大きく横揺れする振動までをセンサーがキャッチして、レールに組み込まれたロック機能が作動するという仕組みになっています。この引き出し用耐震ラッチはムラコシ精工の製品で、地震がおさまるとロックが自動解除されるものです。
高層マンションなど耐震性能の高い建物であっても、揺れることで収納扉が開放状態になる恐れがあります。室内で起こる危険をあらためて点検して、今から手を打っておきましょう。