規格型ではなく自由設計で555万円
「ゴー!ゴー!ゴー!」あのCMの裏側には…
「555の家」をリリースした理由について、松尾執行役員部長はこう話す。「30年前の創業時に建てていただいたオーナーや団塊世代から、『そろそろ築30年近く経ち、建て替えたいんだけど、定年後に新たにローンを組むのは重荷」という声やニーズが寄せられ、弊社のオーナー様のセカンドライフに新しい舞台を無理なく提供したかった、という社長の想いを形にしたものです」
「555万円の家」から実際は「ブラーボ スタンダード」の注文住宅で建てるケースが多い
確かにこの世代のニーズをよく捉えているが、このリーズナブルさは目下、切実にマイホームを必要としている今の一次取得層のニーズも合致するのでは?と聞くと、「はい。今の夫婦+子供1~2人の若年ファミリーには必ずしも4LDKは必要ないのではと思います。実際、間仕切りを取り払ったオープンなプランが人気がありますし、子供1人に対して子供部屋1つを必ず与えるべきという既成概念も持っていません。むしろ、子供部屋はいらないという認識に変わっているようにも思います」。
コンパクト・エコカー的発想
この若年層ニーズと「555」の接点を、コンパクトなエコカー人気に例える松尾部長によると、「バブル世代と違って、高級車や輸入車を乗らなければ、車を持たなければ、という固定概念に縛られない世代。家もこうでなきゃ、フルスペックのエコでなきゃ、という固定概念がないように思います。構造躯体の最低限の耐震性・耐久性・省エネ性が担保されていれば、あとは好きなエコ設備をつけたり、設備のグレードアップを自分カスタマイズで選べるほうが、今の若年層に合っていると思います」自社プレカット工場も経費や時間のロスカットにつながる
どうしてここまで安くできるのかという質問に対し、「第一に、構造躯体材を他の工場や大工さんに頼らず、自社プレカット工場で経費や時間のロスを徹底的になくしています。ミリ単位の加工精度により建築現場でぴったりと組み合わせ、施工精度と作業時間のロスをなくしています。第二に、展示場には出展せず、お客様の家を現場見学会の会場にしてするなどして、薄利でも維持できる企業体質にしていることが強みではないでしょうか」
もちろん、以上はガイドが限られた時間内で得られた回答なので、実際に家を建てる人は、もっと企業にいろいろ質問したうえで理解・納得して最終判断してほしい。いずれにしても、ローコストで建てたいならば「なぜ安くなるのかの根拠」と、見えない部分の「構造」「性能」「建築後の保証」「加入制度」などを重点的に確認すると一つの指標が見えてくるかもしれない。