携帯電話でむやみに電話をかけることは最小限に
※今回は被災地での対応ではなく、スタッフが被災地にいた場合のリーダーの対応として書いています。
メールアドレスの他にも複数の連絡手段を確保し、まずは安否確認を
災害が起こった時点で、すぐにスタッフや仕事仲間の安否確認につとめましょう。携帯電話や固定電話はつながらない可能性があります。災害用伝言ダイヤルや、災害用伝言掲示板の利用が有効です。インターネットつながるようであればTwitterなども駆使しましょう。【関連サイト】
・災害用伝言ダイヤル(171) NTT東日本
・NTTドコモ iモード災害用伝言板
・ソフトバンク 災害用伝言サービス利用方法
・au 災害用伝言サービス利用方法
携帯電話各社の災害用伝言サービスでは、相手の携帯番号が必要となります。携帯電話のバッテリーがなくなってしまうことも考えられますので、携帯電話のアドレス帳に登録するだけでなく、紙のメモ帳などに連絡先番号を書いておくことも大切です。固定電話などからも相手を確認できるように備えておきましょう。災害用伝言サービスについては、事前登録などのサービスもありますので、確認をしておきましょう。
通常の業務はパソコンのメールアドレスを使用することが多いですが、スカイプやTwitter、ミクシィなども、普段から積極的に使用し慣れておくことをおすすめします。これらは、いきなりその時に使うことは戸惑ってしまうことが多いのですが、日常使用していれば、緊急時のアクセスも難なく連絡をとることが可能です。ただし、これはパソコンや、ケータイ、スマートフォンからインターネットにつながっていることが条件です。
【体験談】都内のスタッフとはTwitterをフル活用
東北地方太平洋沖地震は、最初の発生が午後2時台であり、スタッフのほとんどがパソコンの前で仕事をしていました。まずは、自分の安否と情報を知らせようと思いましたが、複数のスタッフにメールで一括送信をするためのBCC設定を行う時間がないと考え、今回はTwitterを利用し外部も含め一報しました。仙台のスタッフとは連絡がとれませんでした。同じように考えていた都内スタッフも多く、Twitter上にすぐ返信がありました。Twitterに載せたことで他地域のスタッフにも状況が伝わり、その後のメール連絡もスムーズでした。携帯メールについては、送ってから着信するまでに約6時間以上かかっており、リアルタイムでの送受信はできなくなっていました。
仕事データは複数箇所に保存
被災にあったスタッフが取り組んでいる仕事については、スタッフから報告を受けている時点のもので構いません。USBメモリーやインターネット上の大容量のオンラインストレージに保存しておきましょう。データの保存については、常に2ヶ所以上の保存するよう普段より心がけておきます。また、状況によっては、被災地より遠く離れた地域のスタッフに仕事を依頼しておくのも賢明です。【体験談】複数のUSBをとっさに利用
13日の午後は、偶然にも仙台在住のスタッフAさんと新しい案件の打ち合わせを行う予定でした。また、茨城在住のデザイナーBさんともメールのやりとりをしていました。地震直後より、東京より南(京都、静岡、広島)のスタッフ連絡がとれましたが、AさんとBさんとは夕方になっても連絡がとれません。都内であってもクライアント3社とも連絡がとれなくなりました。
地震情報をラジオで確認しつつ、自分たちの作業場所もどうなるか不明だったので、まずは進行中案件から複数のUSBにデータを保存し、何かあれば持参し逃げられるように準備を始めました。Aさんの新規案件は京都在住のCさんに振り、Bさんの案件はBさんがこれまでに納品した時点でのデータを、USBに保存しました。他にも的確な方法があったかもしれませんが、実際の現場ではこの通りしか頭に浮かばなかったのが事実です。
普段より仲間作りを心がける
在宅ワークは自宅で1人きりで仕事をするというイメージがありますが、実際はいろいろな作業を仲間と分担し請け負うことが多いのです。在宅ワーカー歴が長い人ほど、たくさんの在宅ワーク仲間を持っています。緊急事態の場合は、遠慮なく仲間を頼りましょう。普段から意識的に、交流会やセミナーに参加し仲間づくりをすることも大切です。【体験談】温かい仲間の言葉に励まされ
仙台で被災したAさんから「家が倒壊したので避難所にいます。家族と自分は無事。当分仕事はできないが、ぜひ新規案件を担当させて欲しい」というメールが届きました。また、別の仙台のスタッフから「仲間の励ましの言葉がうれしい。仕事については仲間が請けてくれるので安心している」というメールもいただきました。
天災はいきなりやってきます。いくら備えがあっても被害が避けられないこともあります。在宅ワーカーの皆さんも、仕事の緊急時の対応について、家族はもちろん、得意先や仲間と相談しておきましょう。