膠原病・リウマチ/シェーグレン症候群

シェーグレン症候群の症状・診断・治療(2ページ目)

シェーグレン症候群は中年の女性に多い病気で、涙や唾液が出にくくなるなどの症状を伴います。シェーグレン症候群の原因、症状、治療について解説します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド


シェーグレン症候群の治療

シェーグレン症候群の原因が不明であるために、完全に治癒する事は困難で、できるだけ症状を抑えたり、目や鼻、口の乾燥からくる様々な病気を抑えることが大切です。

■目の乾燥を防ぐ
  • 涙を出やすくする…炎症を抑えるステロイド点眼薬が使われます。
  • 涙を補う…人口涙液や角膜に必要なヒアルロン酸、コンドロイチン、ビタミンA、フィブロネクチンなどを含む点眼薬を1日3回以上使ったり、自己の血液の成分を使った液を使ったりします。頻回に点眼するので、防腐剤などの成分で角膜に障害が起こることがあります。そのため、使いきりタイプが勧められています。
  • 涙の蒸発を防ぐ…眼鏡の枠にカバーのついたドライアイ眼鏡を使います。
  • 涙の排出を減らす…目から鼻に抜ける穴を塞ぐ方法
■口の乾燥を防ぐ
歯ブラシ

唾液が不足すると虫歯になりやすいので、歯磨きは大切です。

口内を清潔に保ち、虫歯を防ぎます。
  • 唾液を出やすくする…シュガーレスガム、レモン、梅干、アネトールトリチオン(フェルビテン)があります。去痰剤のようなブロムヘキシン(ビソルボン)や漢方薬(人参養栄湯、麦門冬湯)など。唾液腺がよく腫れる人にはステロイド剤は有効です。塩酸セビメリン(エポザック、サリグレン)、塩酸ピロカルピン(サラジェン)などの薬もあります。
  • 唾液を補う…人工唾液として、サリベートや2%メチルセルロースがあります。
  • 虫歯やカビなどの感染を予防する…イソジンなどによるうがい。歯に対してはブラッシングや歯垢の除去などをします。
  • 口内の環境を改善する…乾燥した食品、香辛料、アルコール飲料を避け、禁煙します。
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、混合性結合組織病などの膠原病に合併する場合には、ステロイド薬や免疫抑制薬などの治療が必要になります。血液の免疫に関わる免疫グロブリンが非常に高くなる高γグロブリン血症があり、血液の流れが悪くなる事があります。

予後については、10年以上たっても症状の悪化のない人が半数以上です。できるだけ規則正しい日常生活を送り、毎日の点眼や口腔を清潔にし、エアコン、飛行機などの乾燥を防ぐなど、上手に対処していくことが大切です。
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