壁一面の書棚が無事! 効果のあった地震対策術
昨年2月、IKEAで人気の書棚「BILLY」を壁一面に設置した事例をご紹介しました。幅も高さも約240cmの大きな書棚。ガラス扉もつけていたので、組立の際に地震対策を施してありました。使ったのは、100円グッズと発泡スチロールのブロックです。地震時の家具の転倒防止策として最も安心なのは壁と収納家具を金具で連結する方法ですが、賃貸住宅は言うに及ばず、持ち家マンションでも釘を打てない壁はある。そんな状況でも、最低限の地震対策はしておくべきです。この書棚、さりげなく地震対策がしてあるのが分かりますか?
地震後に書棚の状態を問い合わせたところ「倒れたのは写真立てくらいで、本棚にはまったく問題がありませんでした」とのお返事。この地域(鎌倉)は震度4とのことで、この書棚での対策については、ある程度の耐震効果は期待できると判断して良いでしょう。
100円グッズで耐震対策
転倒防止シートは、棚の下に挟み込み、わずかに傾斜をつけることで棚全体を壁側に倒したような形になり、重心が後ろにかかるため、前に倒れ込むのを防いでくれます。シートは半透明素材で目立ちませんし、ハサミやカッターで切り取って必要分だけ使えるのもいい。100円ショップで購入した耐震グッズ。転倒防止シートを効果的に使い、その他の対策と組み合わせることで、十分に耐震効果が得られます。なお、ガイドが見つけた転倒防止シートは、1つ20cmでした
美しく設置するには、棚の縦方向の部材の幅と、転倒防止シートの幅を合わせ、その部材の直下に挟み込むこと。一番上の写真では、縦部材の下にだけシートが挟んであるのが分かります。IKEAのEXPEDITのように、床に接する横部材が一直線の場合は、幅全体に使った方が目立ちません。
耐震効果を高める発泡スチロール
転倒防止シートの効果を高めたのは発泡スチロールのブロックです。BILLYは上部追加ユニットをつけると高さが237cmになります。天井までの距離がわずかとはいえ、天井にひっかかって倒れてこない高さでもない。この隙間には、ホームセンターで販売されているブロックを切って詰めました。天井と書棚との隙間に押し込んだ発泡スチロールブロック。ひとつ400円程度のものを切って使いました。隙間に押し込むときに、手応えがあるくらいの厚みにカットして用いています
ぴったりサイズではなく、隙間に詰めるときに手応えがあるくらいの「ちょっと厚め」が良いです。地震の後、厚みが足りなかったブロックだけがつぶれて落ちてしまったとのことですから、厚さは重要なポイントです。
地震からしばらく経つと、家具の転倒防止のことは忘れてしまいがち。意識の高い今のうちに、必要なところに最低限の地震対策をしておきましょう。