リビングキッチン2011視察報告会
講演順にその概要をお伝えする。□ キッチンジャーナリスト 本間美紀氏
「全体のインテリアトレンドと今年のキッチン」
全体を通じるコンセプトは、次の4つ。
・過去の儀式や歴史から学ぶものごとの本質
・感覚を覚醒させる
・地域性や季節、自然に従う
・ バーチャルと現実の境目を越える
2011年のキーワードは、自然木材の再構築があげられ、無垢材、樹皮つき、節あり、ラフソーンと呼ぶ切りっ放し、丸太や年輪、無塗装、流木や埋もれ木、エイジング加工などがあげられる。
新しいインテリアイメージ(Photo MIKI HONMA)
新しいインテリアイメージ(Photo MIKI HONMA)
新しいインテリアイメージ(Photo MIKI HONMA)
「ワークトップやシンクを中心に素材から見たキッチン」
強まるナチュラル指向の中で、今回の見本市でワークトップに使われた素材を順に並べると、まずメラミン化粧板が一番多く、続いてクオーツストーンと呼ぶ水晶を混成したエンジニアリングストーン、大判セラミックパネル、天然石、アクリル系人工大理石、ガラス、ステンレス、天然木などが使われている。シンクもこれらの材料を使い、ミックスマテリアルの手法で構成しているものが多い。
エンジニアリングストーンやガラスは硬度が高く、特にセラミックパネルはモース硬度が8もあり、アクリル系人工大理石に比べると、現場加工性が落ちる。それにもかかわらず、小口はトメ加工をしているものが多く、イモ継ぎは殆ど見られない。
アクリル系人工大理石は30以上のカラーバリエーションが魅力で、感触が心地よく暖かい。無孔質な表面は清潔で、食の安全性にも対応しやすい。加工性が高く、デザインの自由度を生かし家具への応用が増えている。新しい傾向としてリサイクル素材のひとつとして捉えているメーカーもある。
新しいワークトップとシンク(Photo MASATUGU HIRASAWA)
クオーツストーンのワークトップ(Photo MASATUGU HIRASAWA)
クオーツストーンのワークトップ(Photo MASATUGU HIRASAWA)
©Feb.2011 Copyright HIDEWO KURODA KITCHEN SYSTEM LABO.INC.