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繊細な手仕事のジュエリー Rubus.(ルーバス)

繊細で可憐な手仕事のジュエリーを展開するデザイナー、Rubus.(ルーバス)の坂本有樹子さんにインタビュー。銀座三越での展示のお知らせもあります。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

銀座三越で限定販売するアクアマリンのネックレス

銀座三越で限定販売するアクアマリンのネックレス

Rubus.(ルーバス)とは、ブラックベリー、ラズベリーなど、植物学上のバラ科キイチゴ属の総称のこと。ギリシャ神話にも登場するほど、はるか昔から人と寄り添い慕われてきた植物であり、そんなRubus.のように、装った人との間に生まれる「調和」を大切にし、いつもそばにあるお守りのような存在感を持つジュエリーでありたい、というデザイナーの想いが込められています。

左:小さな果実を思わせる可憐な色のピンクトルマリン。

左:小さな果実を思わせる可憐な色のピンクトルマリン。
右:シルクのシフォンと天然石のラブラドライトを組み合わせたドレッシーなネックレス。
リボンを前に垂らして使う事で、さらりとデイリーにも着こなせます。
 

デザイナーの坂本有樹子さんは、まさにRubus.のジュエリーをイメージするような、ふんわりと優しく穏やかな雰囲気の女性。しかしその半面、しっかりとした芯の強さや職人魂を持った、頼もしい女性でもあります。元々はインテリアメーカーにて、バッグや家具のウィンドウデザインや展示会の企画などを行っていました。
「会社では新規事業の立ち上げ部門にいたことがあり、人が少なかったためディスプレイから商品企画から、なんでも自分達でやっていました。いろんなことをやらなければならなくて、こんなに広く浅くばかりやってて大丈夫かな?と当時は不安でしたが、幅広い経験ができたことは今となっては仕事にもつながり、大いに役立っています」。

マルチカラーのサファイヤを純金箔の糸で一粒ずつ繋ぎ留めた作品。ギリシャ語で「虹」を意味するIrisと命名。

マルチカラーのサファイヤを純金箔の糸で一粒ずつ繋ぎ留めた作品。
ギリシャ神話で「虹」と呼ばれる女神からirisと命名。

会社で日々扱うものに大きなものが多かったせいか、反対に小さくてかわいいものに興味が湧いてしまったという坂本さん。仕事をする傍ら、ジュエリー作りの勉強を始めました。イギリスでアンティークの技法を学んだという職人さんに付いて、制作の手法はもちろん、アンティークジュエリーに関する知識なども学び、その深さを感じました。さらにその後は、日本の和彫りの技法で制作している職人さんのところへ通い、より深く様々な観点から技法を学びました。
「最近忙しくてなかなか行けないのですが、その職人さんのところは今も制作面で迷った時には相談に乗ってもらいます。子供の頃からキラキラした小さな自然のものが大好きで、石を触っていると本当に楽しいんです。すごく気に入った石を見つけたときは、いつまでも眺めてうっとり見とれてしまうことも。展示会前など制作が集中するときは、アトリエから一歩も外へ出ないで黙々作業していることも多いのですが、静かにコツコツと続けることが好きなので、自分には合っている仕事なんでしょうね」。

作品に近寄ってよく見ると、繊細な金箔の糸で丁寧にかがってあることが分かります。

作品に近寄ってよく見ると、繊細な金箔の糸で丁寧にかがってあることが分かります。

Rubus.のアクセサリーはほとんど手作り。石は天然石を使い、同じものはひとつとありません。アフリカやインド、また本真珠は伊勢のものを使っています。自然の石は微妙に表情が違うので人任せにはできない、と坂本さんがひとつひとつ丁寧に選択し手を掛けて作っています。またアンティークに惹かれて、ヨーロッパで仕入れてきた素材などを使用することも。今ではもう作れないような、気の遠くなるほど繊細な手仕事や、時を経たからこそ出てくる味わい深い色などがたまらない魅力だそうです。
「職人の手仕事の技には本当に心から感動します。古いものに限らず現代のものでも、例えば私の作品のひとつには、京都の職人さんがシルクの糸に金箔を巻いて作ったという糸が使われているのですが、そういったものはやはり輝きの質感が違うんです。工房へ行くと、その糸は金の配合によって微妙に違う色が何色もあるんですよ。日本ならではの技術ですよね。他にも漆の蒔絵、螺鈿など、日本には伝統的で繊細な手仕事のものがたくさんあるので、そういった美しい工芸の技をクローズアップできるような作品作りも今後やっていきたいなと思っています」。

ルーバスは、Alise Daisy Roseというプレスルームの一角にあります。帽子作家Sugriの作品も一緒に展示され、ロマンティックな雰囲気。

Alice Daisy Roseというプレスルームの一角で、Rubus.の作品を拝見しました。
帽子ブランドSugriの作品も一緒に展示され、ロマンティックな雰囲気。


アトリエでは作業に集中するため、デザインのアイディアは、ふらりと散歩に出かけたときや、カフェでぼーっとしているとき。そして旅に出たときなど。真っ白なノートを持ち歩き、思いついたデザインを忘れないうちにその場で描き記します。雨だれ、朝露、海の泡など、普段は見過ごしてしまいそうな、些細で身近な自然のものから発想することが多いようです。昨年は買い付けも兼ねてパリを旅したそうで、また新たな創作が生まれるかもしれません。
「どうしても制作時はアトリエにこもりがちなのですが、今年はもっときちんと時間を取って、いろいろな人に会ったり、自分で予定を作っていこうと思っています。イベントなどでも、自分の作品を使ってくれる人に直接会うことで、思いかげない意見を聞けたり、どんな人が手に取ってくれるのか実感したり、得ることが多くて刺激になります」。


東京・銀座三越のジュエリーイベントにRubus.が参加します。お菓子のような可愛らしい質感のアクアマリンにシルクリボンを組み合わせた新作を発表。アクアマリンの淡いブルーの間には、小さな白いアンティークビーズを挟み、穏やかな春の海に細かくはじけるリズミカルな泡を表現しています。

New Jewelry
2011年3月2日(水)~8日(火)、9日(水)~15日(火)
銀座三越M2F
ジュエリーサロン イベントスペース

ジュエリー専門の合同展示会「New Jewelry」は、すくれた若手デザイナーの手仕事によるジュエリーを発信する場として、2010年から東京で始まりました。この度、銀座三越とNew Jewelryによるコラボレーション企画をお届けします。New Jewelryが選ぶ13組の気鋭のジュエリーブランドが集まり、各ブランドの定番から新作まで販売いたします。会期中にはデザイナーも来店し、みなさまのお越しをお待ちしています。

詳細は↓
http://newjewelry.jp/
※Rubus.は前半の会期(3月2~8日)に参加。
坂本さんは3月2日(水)、6日(日)の12:00~20:00まで店頭にいます。


Rubus.(ルーバス)
http://www.rubus.jp/
Alise Daisy Rose
http://www.alicedaisyrose.com/



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