沖縄の観光・旅行/沖縄の離島

渡名喜島の話(2ページ目)

沖縄本島と久米島との間に浮かぶ小さな島、渡名喜島。まだまだ訪れる観光客の数も少ない、とても静かな島です。赤瓦の屋根の古民家が多く残りフクギの木に囲まれた集落の景観が美しい、この小さな島の話しをしてみたいと思います。

小林 繭

執筆者:小林 繭

沖縄ガイド

渡名喜島の楽しみ方

渡名喜の古民家

渡名喜の集落にはこんな風情溢れる赤瓦の古民家の姿が多く残ります

旅行者としての視点から言うと、渡名喜島の一番の見所はその集落です。渡名喜島の集落は、フェリーを降りた目の前から始まり、どんどん突き進んでいくと15~20分くらいで反対側の浜に出てしまうくらいの大きさ。さほど大きくはない、初めて訪れる旅行者でも迷うことなく歩いてまわれるこぢんまりとしたものです。

そして、実はこの集落が重要文化財に指定されているのです。何故、渡名喜の集落が重要文化財となっているのかは、実際にその土を踏んで歩いてみればわかるでしょう。

もともと台風の通過地点でもあるこの小さな島では、台風の被害を最小限に抑えるため古くから家は道路から一段下がった高さに建てられています。また雨風から家々を守るために、道の両側にはフクギの木が植えられ、そのフクギの木々の隙間から今でも赤瓦の屋根が建ち並んでいます。白砂が敷きつめられた小道に並ぶフクギの木々は、台風の風除けとしてだけでなく、夏は強烈な太陽から守ってくれる役目も担っていますが、同時に集落の景観をとても風情あるものに仕立て上げてくれてもいるのです。

フール

昔の沖縄の家ではよく見かけたフール。トイレと直結した豚小屋とでも言えばよいのか…

昔の様式で建てられた家々には当時の生活の様子がそのまま残されていて、散策途中に覗いてみることができます。例えば、沖縄では各家庭でごくごく普通に豚が飼われていたので、敷地の一画にはフールと呼ばれる豚小屋があり、今では使われていない井戸がそのままの形を残して庭に佇んでいます。

そんな一昔前の沖縄の暮らしの様子を石垣からそっと垣間見ながら歩くのが、渡名喜の集落の楽しさ。島は昼間でもとても静かで、どこか違う時代に迷い込んでしまったような不思議な感覚を覚えるかもしれません。
あがり浜の貝

アガリ浜で見つけた貝殻。散策しながらの貝拾いも楽しい

高台からの眺め

高台から見下ろした渡名喜の海

集落を抜けて東り浜(あがりはま)まで行くと、そこには穏やかなビーチが広がっていて、木陰でのんびりと過ごすのにオススメです。

渡名喜島は集落以外の場所はかなりアップダウンが激しいので、島内一周をするなら自転車ではなく、車かバイクを使うのがよいでしょう。集落の中だけ見てまわるというのであれば、歩きでもまったく問題ありませんが。

島の北にある里遺跡からは渡名喜の集落が一望できるので、がんばって登ってみてください。また島の民宿であるふくぎ屋さんでは、島の歴史や自然をよく知るスタッフによる島内観光を行っているので、案内してもらうのもオススメですよ。
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