どんな家を建てたいのか明確にする
こんな家をつくりたいと明確な意思をもっている施主、情報に振り回されることなくきちんと決定のできる施主は、これしかない家づくりをすることができます。自分達家族にはこれしかないと思える家です。一方、グレード別の家づくりは主に高級・中級・ローコストとランクを3つに分け、そこから組合わせをしながら決めていきます。地域のビルダーやハウスメーカーもこのあたりは施主の気持ちをとらえるため多くのメニューを取り揃えています。グレード別の家づくりは大手ハウスメーカーに多く、重要な戦略のひとつでもありますが、やはりこだわりは持ちづらいと言えるかもしれません。
「これしかない家づくり」と「グレード別家づくり」
参考資料:H22年9付き15日 日本住宅新聞 佐藤善秀作成(一部修正)
ガイド佐川のワンポイントアドバイス
住宅の着工数が年間100万戸(マンション等も含む)を切りました。地域のビルダーやハウスメーカーは、より一層、長持ちして安全な家づくりが求められてくるでしょう。高額な住宅であっても、ローコスト住宅であっても、引き渡しまでの手間や労力はまったく一緒です。販売会社や施工会社は高額な住宅をすすめたいのですが他社との競争もありなかなか受注できません。そこでなんとかご縁のあったお客様にはたくさんのメニューを揃え、なおかつ家づくりをよりシステム化させていくのです。そこには職人の達成感やプライドは生まれてこないでしょう。工務店も今後、今までの反省(営業ベタ、PR不足など)を活かして、気軽に相談にのってくれるコーナーやPR誌などを作っていくと思います。また、ホームページの充実も図るでしょう。しかしそれらの情報で判断するよりも、やはり大切なのは現場を見ておくことです。情報と全然違うということもあります。
大事なのは、いつの時代も顔の見える関係と信頼です。施主にとって家づくりは一生に一回の大きなドラマづくりです。そんなドラマづくりに寄り添って協力してくれる人、そんな人との出会いを求めるのも家づくりの楽しさのひとつです。これしかない家づくりとグレード別家づくり、その意味の違いを良く理解して依頼先を決めていくことが大切です。