きちんと説明すれば悪い話ではない
この仕組みのポイントをまとめると、「会社がウソをつかない」ことにあると思います。「これは退職金ではない」とちゃんと会社は説明し、「それでも社員のために用意する制度である」と理解を求め、それを社員が理解し、自分の利用できる範囲で活用する限りは悪い話ではありません。なぜなら、
(1)自分の老後のための積立をすれば所得税が少なくなる制度はほとんどありません。活用できるのは大きなチャンスです。
(2)積み立てられる金額の枠は個人型401kより大きく(会社員が個人型401kに入る場合は23000円が上限)、効率的にお金が貯まるチャンスです。
(3)個人型401kの場合、事務手数料を年額5~6000円程度内枠で引かれますが、別枠で会社が負担してくれる分、得ですし、有利です。
(4)運用益がどれだけ多くても非課税で全額手元に残る制度はほとんどありません。活用できるなら絶対に利用したいメリットです。
といった長所があるからです。
元々、退職金や企業年金はあって、別枠としてこうした401kを採用する場合、あるいは退職金や企業年金がない会社でこうした401kの採用が行われる場合は、しっかり説明を聞いて、むしろ好条件の積立をするチャンスと思ってみてください。
(逆にいえば、これを「会社が負担する退職金」というようにウソをついていないかはチェックしたいところです)
教科書的にいえば、企業型の401k=会社がお金を出す、個人型の401k=自分がお金を出す、ということになりますが、実質的には自腹で積み立てる企業型の401kもある、ということを覚えておくといいでしょう。