重厚かつスポーティ
先代トゥアレグよりもシャープさが増したエクステリア。サイズアップされているが、印象としてはシェイブアップされて若々しくなった。全長4800×全幅1945×全高1740mm、ホイールベースの2905mmは、先代よりも全長が45mm、全幅が15mm、全高が10mm、ホイールベースは50mmもアップしているが、V6モデルの重量は70kgも軽くなっている。価格はV6ガソリンが623万円、ハイブリッドモデルが898万円
両方グレードに共通していえるのは、V6ガソリンもハイブリッドも、基本的には“高級SUVらしい走り”であること。ポルシェ・カイエンが少し軽めのパワステ、ボディサイズを感じさせない軽やかさが身上なのに対し、新型トゥアレグはいい意味での重厚感がある。軽くアクセルペダルを踏み込んだだけで、欲する以上のパワーを手にできるから、遅いという印象は皆無だ。高速道路でも流れをリードするのは容易いし、このクラスのSUVとしては優秀なラインコントロール性を実現している。トゥアレグとカイエンの重量差がほとんど変わらないだけに、逆にいえばカイエンがSUV離れしていて、スポーツカーの領域に足を踏み入れているのが証明されたともいえる。
注目のハイブリッドは?
ハイブリッドは、グリルとリヤドアのサイドシル、テールゲートに専用エンブレムが備わる。タイヤサイズは、V6ガソリンが18インチで、ハイブリッドは19インチを履く。セルフレベリング、車高調整、ダンパーコントロールのエアサスは、ハイブリッドに標準で、V6ガソリンはオプション
また、モーター走行時や回生時の独得のヒューンという音もほとんど抑えられている。クルマに興味がない人なら、モーター音などでハイブリッドと判定するのは難しいかもしれない。アイドリングストップの再始動は早い上に静か。しかし、停止すると即アイドリングストップに入ることが多いため、右左折時などでは却って煩わしく感じることもあった。
パワーに関しては、280ps/36.7kg-mのV6ガソリンでも必要十分だが、3.0Lでありながらスーパーチャージャーの過給により333ps/44.9kg-mを発揮するハイブリッドの方が当然静かで速い。同じ速度域に達するまでV6よりもアクセルを踏む量が少なくて済むから、エンジン音も当然静かだ。またハイブリッドには、アクセルを離した際にクラッチによりエンジンが切り離されるコースティングモード走行も用意され、文字どおり「滑走」という印象でスムーズかつ静かに走り抜けるのも魅力だ。
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