お店の外観と看板。ヨーロッパの街角にでもありそうな佇まい。

お店の外観と看板。ヨーロッパの街角にでもありそうな佇まい。


蔵前の駅からは徒歩3分くらい。まわりは小さな町工場が多く、浅草橋、田原町など問屋街に囲まれた地域でもあります。昔ながらの佇まいの古い工房の横に、おしゃれな雰囲気のアトリエがぽつぽつとあったり。職人やクリエイターが多く活動する町です。大通り沿いにある、店の大きな窓を覗くと、手前には不思議なかたちの機械がどんと置かれ、奥の棚にはペンや紙製品がぎっしり並んでいるのが見えました。入り口には「文房具の店」と黒板に書かれた文字。平日の午前中にも関わらず、お客さんが入れ替わり立ち変わり入ってきます。初老の落ち着いた男性から、ふらり立ち寄った主婦グループ、高校生くらいの女の子、と客層も様々です。

カラフルながらシックな衣装の店内。紙やペンの種類が豊富

カラフルながら落ち着いた雰囲気。紙やペンの種類が豊富

店内は木の質感を生かしたインテリアで、ところどころにはカラフルな色がはめ込まれています。これは色鉛筆を意識したデザインだそうで、店に並ぶ文房具との一体感があり、ワクワクと楽しい気持ちにさせてくれます。美篶堂の虹色ブロックメモや、ユルリクの草むらになる付箋、パピエラボハイタイドのコラボした活版デザインのノートなどなど、ちょっと捻りのある、日本の職人やデザイナーの商品が多く販売されています。

文具のセレクトにもこだわりが感じられます

文具のセレクトにもこだわりが感じられます


カキモリのオーナー、広瀬琢磨さんは祖父の代から文房具店を営んでおり、子供の頃から文房具に親しんでいました。自身も事務用品にまつわる仕事をしていましたが、もっとお客さんと直接関わりを持つことができ、他ではやっていない新しいことをしたい、と模索を続けていたとき、アメリカ製の製本機に出会い、自分の店でオリジナルノートを作ることを思いついたそうです。
「アメリカでは、学校の購買部などにこういった機械が置いてあって、学生が自分でノートを綴じていたりするんですよ。日本ではあまり見かけないんですが。自分だけのオリジナルをその場ですぐ作れる、と感動してもらえることが多く、ギフトにされる方も増えています」。
というわけで、さっそくオリジナルノートを作っていただきました。

棚から好きな素材を選びます。これは楽しい!

棚から好きな素材を選びます。これは楽しい!


まずは材料を選びます。棚の中に様々な色や質感の紙が入っていて、ここでもうテンションが上ります!表と裏に使う厚紙は、キラキラしたラメっぽい紙や、フェルトのようなふんわりした質感の紙もあったりで、なかなか決められません。かなり迷いながらも今回は、ベーシックなクラフト紙でピンクっぽい色と茶色をセレクト。イチゴ&ココアのイメージです。裏表を違う紙にしてよいのも、オリジナルならではです。

次に中に入れる筆記用の紙。こちらもいろいろ選べます。旧三菱銀行で使われていたというバンクペーパーは透かしで「スリーダイヤモンド」が入っていたり、マンガ雑誌に使うコミックペーパーは4色あってまさに雑誌っぽかったり、個性的でマニアックな紙が揃っています。束で何種類か組み合わせることもできます。そして綴じるリングも白・黒・メタルの3色。さらにゴム留めや紐留めなどのオプションも付けられます。

写真左の右側が製本機。左は活版印刷機です

写真左の右側が製本機。左は活版印刷機です。窓から見えていた不思議な機械とはこれ!


材料を選んだら、製本機へ。まず、リングを通すために紙に穴を開けます。正確に位置をセットして、レバーをガチャンと下ろしたら、あっという間に穴が開きます。

左:穴にリングを通します。右:開いた状態のリングを機械で閉じます。

左:穴にリングを通します。右:開いた状態のリングを機械で閉じます。


穴を開けたらリングに通し、またガチャンと機械を使ってリングを綴じ、本当にすぐにできてしまいました。オプションでゴム留めを選んだので、その場でトンカチでカンカンと穴を開けてハトメを付け、ゴムを通してくれました。活版で「カキモリ」マークも入ります。活版はまだ実は準備中だそうで、いずれは名入れや、オーダーで文字を入れたりしていきたいそうです。しかし選んだ材料が見ている前でみるみるノートに加工されていく様は、かなりサプライズで面白い!ノートに一層の愛着が湧いてきます。これだけやっても値段も手頃で、だいたい700~800円くらいです。ノート以外に、便箋のオーダーメイドも行っています。(こちらはオーダーしてから一週間~10日かかります。)

ゴムバンドも付けて、自分だけのオリジナルノートができあがり

ゴムバンドも付けて、自分だけのオリジナルノートができあがり



さて、カキモリのもうひとつの特徴は万年筆の多さ。壁にたくさんの種類の万年筆がずらっと並び、それぞれの試し書きもできます。5000円以下のお手頃なものも多く、初心者にも優しい品揃えです。たとえ値段の安いものでも、長年文具に精通した広瀬さんがこだわって選んだものばかり。ドイツのロットリングやペリカンなど、書き味がしっかりしており、デザイン的にも美しいものを選んでいます。

カラフルなデザインと、手に取りやすい価格帯も魅力

カラフルなデザインと、手に取りやすい価格帯も魅力

「万年筆というと高価なイメージがあるためか敬遠しがちですが、それぞれに個性的な書き味があって、書いていて面白く、また、字が上手くなったような気分になれる、気持ちのよい筆記具だと思うんです。今後は万年筆ももっと種類を増やして行きたいと思っています。あと、インク使いの楽しさも伝えたいので、ガラスペンなども入れたいですね」。

”長く使えるものを丁寧に販売する”がカキモリのコンセプト。下町であるここ東エリアは、シャッターの閉まった物件が多いのも事実ですが、同時に新しい感覚を持った、小さくても個性的な店舗が続々生まれている地域でもあり、これからの可能性を感じさせます。地元の職人やクリエイターともコミュニケーションを取り、新たな流れを作っていきたいという広瀬さん。老若男女に親しまれる文具という媒体を通して、下町ならではの楽しさや心遣いのある店を目指しているそうです。

お店のショップカードは封筒のかたち!

お店のショップカードは封筒のかたち!


カキモリ
東京都台東区蔵前4-20-12
TEL 03-3864-3898
12:00~19:00  月曜定休(祝日は営業)
http://www.kakimori.com/ 

「男のこだわりグッズ」ガイドの納富 廉邦さんもカキモリを紹介しています。
http://allabout.co.jp/gm/gc/375836/

◆オマケ「革小物専門店 m+(エムピウ)」

センスの良い革小物が揃っています

センスの良い革小物が揃っています


カキモリから目と鼻の先にある革小物専門店「m+(エムピウ)」。イタリアで建築を学ぶうちに革に魅せられてしまい、革小物デザイナーとなった村上雄一郎さんの店です。店内にはユニセックスでモダンなデザインのバッグや財布などが並んでいます。今後カキモリとのコラボ商品への展開も企画中だそうです。カキモリからすぐ近くなので、合わせて訪ねても楽しいのでは。村上さんご本人がいることもあり、革の相談にも乗ってくれます。(ちなみにm+のまん前にあるケーキ屋さんも美味しいです)。

m+(エムピウ)
東京都台東区蔵前3-4-5 中尾ビル1F
TEL 03-5829-9904
平日 11:00~19:00 土祝 13:00~18:00 水日定休
http://www.m-piu.com/


※蔵前他、東エリア散策には以下もどうぞ。
in-kyo(インキョ)
syuro(シュロ)
MARKTE(マルクト)
森岡書店


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