鹿島が考える集合住宅のあり方“免震邸宅街区”
説明するまでもなく、鹿島建設は世界に誇る日本屈指の建設会社である。その鹿島が本業である設計・施工の枠をこえて、自らが企画し事業主となって集合住宅に携わるのは何故なのだろうか。鹿島のように事業主としてコンスタントに集合住宅を供給しているゼネコンはほとんどないにもかかわらず、である。その答えはプロジェクト自体に如実に表れているように思う。
鹿島の集合住宅の特徴は、やはりその建物の構造に見い出せる。「免震構造」のマンションは阪神淡路大震災が起こった後に急激に高まった耐震性に対する関心の答えとして、1990年代後半に登場した。もちろんユーザー評価は高く、ニーズも少なくないのだが、通常よりも高い建築コストのためか、残念ながら決してその供給は多くない。しかし技術の開発者として、また施工会社として草分けでもある鹿島は、自社の開発プロジェクトに積極的に「免震構造」を採用してきた。
免震構造概念図 ※掲載の完成予想図は計画図を基に作成しており、形状・色彩等は実際とは異なります。
「センチュリーフォレスト」もその例に漏れず「免震構造」である。しかも特筆すべきは一般的には「免震構造」ほどの傑出した耐震性までは要求されないであろう7階建の中層マンションに、あえて「免震構造」を採用した点である。単に建物を守るためだけではなく、そこに暮らす人の安全・安心はもちろん家具や調度品に至るまで守ることができたなら、鹿島の考えはそんなレベルにまで達しているのではないだろうか。
外観完成予想図 ※設計図を基に作成したものであり、形状・色彩等は実際とは異なります
美しい空間の追求
鹿島が事業主として自ら集合住宅を手掛ける理由は、“美しさ”の追求にも見いだせる。当プロジェクトでは、デザイン監修として招聘された「アーキサイトメビウス」と「KAJIMA DESIGN」のコラボレーションにより、外観の意匠デザインはもちろんのこと、各住戸の細部に至るまでその追求は徹底されている。その中で最も特徴的と言えるのはラインの美しさであり、光と色、素材の質感を生かした空間構成だろうか。例えば、住戸内の壁や天井がクロス張りではなく塗装仕上げ(プレミアム住戸のリビング・ダイニング等)となっている。美しいラインを際立たせるために、わずかなごまかしもきかない塗装仕上げに敢えて挑むというのは建築のプロとしての矜持と言えまいか。他にもキッチンの天板や壁面の素材、収納扉の形状や幅といった細かなところも、その本来の機能を損なうことなく耐久性などにも配慮しながら、見た目の美しさ、空間としてデザインの調和にこだわったつくりがなされている。
リビング・ダイニングルーム ※F-165rタイプモデルルームの写真(平成22年10月撮影)に現地7階相当からの眺望写真(平成22年10月撮影)を合成したもので、実際とは異なります
また共用部分に関しても“らしさ”は存分に見られる。メインエントランスやラウンジには、壁面にトラバーチン、床面にビシャン仕上げの御影石と、妥協のない本物の素材が用いられている。中でも壁面を埋め尽くすエクストラクラスのトラバーチンは、原石の状態から厳選し加工後の風合いまで吟味を重ねたという。虚飾を排した凛とした空間設計と本物の素材だけが持つ質感が、ライトコートから差し込む陽の光やほのかに灯る照明と調和して、都心の高級住宅にふさわしい格調高く、静謐な空間が演出されている。
エントランスホール完成予想図 ※設計図を基に作成したものであり、形状・色彩等は実際とは異なります
ラウンジ完成予想図 ※設計図を基に作成したものであり、形状・色彩等は実際とは異なります
活気に満ちた渋谷とハイセンスな代官山を身近にしながらも、街の華やぎからは想像できないような閑静な邸宅街区。そこに誕生する鹿島という建設会社のこだわりが結集した集合住宅。それが「センチュリーフォレスト」である。
提供:鹿島建設株式会社