雛人形ができるまで
雛人形はどのように作られるのか、ご存じですか? 今回取材した秀光人形工房では、雛人形はすべて手作業で作られ、一つ一つに違いや作り手のこだわりがあり、また、お客さんの要望や流行を取り入れながら年々改良して作っているとのこと。秀光人形工房 女流人形師の土屋むつみさんにお話を伺いました。
後ろ姿も美しい舞扇雛
後姿が扇型になっていて、美しい「舞扇雛」
こちらは秀光オリジナルの「舞扇雛(まいせんびな)」。通常の雛人形は後姿が四角形になっていますが、舞扇雛は、後姿も美しく見せる扇型になっています。秀光の雛人形は「触って遊ぶ雛人形」がポイントなので、後ろ姿にもこだわっているそうです。
舞扇雛の扇型は、子どもの成長を願ったおめでたい末広がりのデザイン。8枚のパーツを一つ一つ丁寧に縫い合わせています。
雛人形の作られる工程
1. 雛人形の骨格となる芯は、わらでできています。
2. わらの芯に、針金の手足をつけ、木屑や綿で肉付けしていきます。
3. 衿の部分を縫い付けたものを着せ付けます。
4. 袖の部分を縫い付けたものを着せ付けます。
5. パーツの数はなんと200点以上。それぞれ分業で作られています。もし一人でパーツからお人形一体を仕上げると、平均で3~4日間もかかるのだそう。
ちなみに雛人形の値段の差は、素材よりも手間の違い。作るのに手がかかっているものが値段も高いのだそうです。
6. 最後に顔と胴体を合体させて、お雛様の出来上がり。お内裏様も同様に作っています。