ベビー用品/初節句・雛人形(ひな人形)

雛人形ができるまで(2ページ目)

雛人形はどのように作られるのか、ご存じですか? すべて手作業で作られる雛人形は、一つ一つに違いや作り手のこだわりがあり、お客さんの要望や流行を取り入れながら作っているとのこと。秀光人形工房を取材しました。

田中 梨香

執筆者:田中 梨香

ベビー用品ガイド

雛人形にも流行がある

人形の秀光

秀光人形工房では、好きなお人形を選んで組み合わせることもできる。ただし、お雛様とお内裏様のペアを取り替えることはできない

雛人形は女の子1人につき1つ用意するものなので、雛人形を購入するのは一生に一度あるかないか、数回か、くらいのこと。お客さんが雛人形の流行を実感することはあまりないかもしれませんが、作り手の方たちは流行を取り入れて、年々改良しているそうです。

たとえば、今のお父さんお母さんが生まれた30年前は七段飾り、五段飾りなどの段飾りが主流でしたが、今は住宅事情などからお雛様お内裏様の二人だけを飾ったり、段飾りでも三段飾りくらいが主流。昔は見上げることの多かったお雛様が、より身近な存在になり、同じ目線の高さで眺めたり、見下ろすようなことも増えてきたため、雛飾り全体にかけていた手間を、その分お雛様とお内裏様にかけるようになったのだそうです。
 

皇室の雛人形の影響も

本着せの雛人形

着せ付けの技術が非常に難しい、本着せの雛人形

前のページでご紹介した雛人形の作り方は、「並着せ」といわれる従来からの工法ですが、ここ数年行われるようになったのが、「本着せ」といわれる、本物の着物のように縫製した着物をそのまま着せ付けるという工法。

従来のセパレート型に比べると、衣装が美しく見えるように着せ付けるのが非常に難しいとのことです。

このような本着せのお雛様は、皇室でご用意されたのがきっかけで、一般にも広まり始めたというお話でした。
 

雛壇の色は赤→黒→茶と変遷

雛人形=赤い毛氈(もうせん)というイメージがありますが、それも変わりつつあるようです。赤い色には魔よけの意味があり、以前は雛壇は赤いというのが常識でしたが、和室に合う赤から、和洋室に合う黒が流行するようになり、現在では、洋室やフローリングに合う茶色が人気があるそうです。
 

お雛様のお顔も流行で変わる

また、もっとも違いがわかりやすいのがお雛様のお顔。昔ながらのお雛様は目が細くほっそりしたお顔立ちをしていますが、現代のお雛様は目も二重になり、親しみやすいお顔。美白ブームのときは、お雛様も美白になりました。最近のお雛様は少しくっきりした表情になっているのだそうです。お雛様のお顔も、時代の流れに合わせて変遷しているなんて、面白いですよね。
 

お雛様はどんどん小型化

3号、芥子、柳のお雛様

左から三五、芥子、柳のお雛様

お雛様の大きさは9番、10番などと数字で表しますが、それはお顔の大きさで決まります。赤ちゃんのお顔の10分の1の大きさだと10番、9分の1の大きさだと9番というように、数字が大きくなると、お人形の大きさは小さくなるというわけです。

現代の住宅事情では大きい雛飾りを飾るスペースがないため、お雛様がどんどん小型化しています。上で説明した9号、10号という基準よりさらに小さいサイズもあり、三五、芥子、柳という大きさもあります(大きい順に、9番、10番、三五、芥子、柳)。三五は60~80cmのスペースに飾ることができ、柳は50cm程度のスペースに飾ることができるのだそうです。


 【取材協力】
秀光人形工房

あ

 


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